【新技術】人工爪による爪噛み矯正【ビフォー・アフター】
肌爪先生こと『神楽坂肌と爪のクリニック』の院長、野田弘二郎です。
YouTubeにて『神楽坂肌と爪のクリニック公式チャンネル』も開設しておりますので、
登録がまだという方はぜひチャンネル登録をよろしくお願いいたします。
さて、本日取り上げるテーマは、当院ではご相談のとても多い「爪噛みの治療」です。
指先は人目につきやすく、短い爪や丸くなった指先を人に見られることが苦痛で、社会生活や私生活で積極的になれないという方や、爪を噛むという動作が神経質で幼いという印象を与えるのでやめさせたいというご家族からのご相談もあります。
最近の研究では「自己肯定感や生活の質を低くしてしまう」という報告もあります。
長年悩んでいるうちに悪化させてしまったという方や、就職やお子さんの誕生を機になんとかして治したいと考え、当院を受診される方も多いです。
【目次】
1.爪噛み癖とは?
2.爪噛みによる指先の変化
3.爪噛みの治療法
4.人工爪による爪噛み矯正とは
5.爪噛み矯正のスケジュール
6.爪を噛まないためのセルフコントロール
7.爪噛み矯正の費用
8.おわりに
1.爪噛み癖とは?
爪噛みや指しゃぶりなど、習慣的に繰り返し身体をいじる動作は
『神経性習癖』や『身体集中反復行動』と呼ばれます。
小児ではその原因として、脳の神経回路の未成熟が考えられていて、緊張や不安に晒されたとき、爪を噛むことで安心感が得られます。そのため子どもの場合、強く叱ってしまうことで余計にストレスがかかり、むしろ症状を悪化させることもあるので注意が必要です。
一方で、成人では小児期の癖が固定化したものがほとんどで、転職など社会環境の変化でストレスがかかると症状が悪化するというケースが多いです。
不安や緊張だけでなく、退屈に対する反応や親の爪噛みを真似して噛むこともあり、子どもによって程度の差はありますが、10才以下の子どもの約30%に見られます。その多くは無害で成長とともに自然となくなりますが、数%の方では15才以降まで持ち越してしまい、慢性化して治りにくくなります。このため肌と爪のクリニックでは、15才以降の方を対象に治療を行っています。
ちなみに余談ではありますが、かの徳川家康も爪噛み癖があったそうです。天下統一を果たした戦国大名の精神的ストレスは、計り知れないものがあったのではないでしょうか。
2.爪噛みによる指先の変化
爪噛みを日常的に繰り返すことで、指先には次のような変化が現れます。
ケース1.深爪
爪が極端に短く「爪がぜんぜん伸びない」と表現される患者さんもいらっしゃいます。親御さんから「子どもの爪がまったく伸びなくなり、ここ数年爪を切ってあげたことがない」と相談を受けることもあります。
すべての指のことが多いですが、特定の指だけ極端に短かかったり、無症状の爪もあります。
趾爪むしり
足指の爪を噛む子どももいますが、10才以降は成長とともに身体が硬くなると口が届かなくなり、代わりに手で足の爪をむしってしまうこともよくあります。
ケース2.爪の先端がガタガタ
拡大して観察すると、不規則にガタガタした状態というのがわかると思います。これは爪切りを使わず、自分の前歯で爪を噛み切っているためです。
ケース3.指先が丸っこい
何年にもわたって深爪に保たれているため、爪の押さえが無くなることで指先がポテッとした形になっています。
ケース4.爪周辺の皮膚がむしられている
サカムケをむしった跡があることが多く、
そのキズから化膿したり、
ウイルス性のイボになることもあります。
◆その他の症状
以前の動画で取り上げた洗濯板状爪を合併したり、歯に悪影響が出ることもあります。
3.爪噛みの治療法
3・4才の幼児であれば、オーガニックな植物由来の成分を含んだ苦いマニキュアを爪に塗ることが効果的なことがあります。しかそれはあくまで5才未満まで。5才以降になると、苦みを避けたい気持ちより、噛みたい衝動のほうが強くなるため、効果は限定的です。
医療機関で行われる標準的な治療は、精神科や心療内科でのカウンセリングやお薬となります。保険診療として認められ、全国の医療機関で受けることができます。
お子さん(15才未満)の場合、まずはかかりつけの小児科で相談されると良いでしょう。
肌と爪のクリニックでは、このような治療を行ったが上手く行かなかった、あるいは精神科で治療の前に別の方法を試してみたいという患者さんで、15才以上の方を対象に人工爪を使った爪噛み矯正という独自の治療を行っています。
4.人工爪による爪噛み矯正とは
医療用アクリル樹脂の人工爪で、先端を保護しながら爪を伸ばしていく治療です。患者さんお一人お一人、指1本1本の爪に合わせて、すべて手作業で人工爪を作ります。
長さだけでなく、色や艶も調整できるため、自然な仕上がりで、施術したその日からパッと見は正常な爪に見えます。
施術当日から人目が気にならなくなり、ストレスから解放されることで「気持ちがすごく楽になった」と喜ばれる患者さんも多いです。ほかの方法と違って、すぐに治療効果を実感できることが治療継続への強いモチベーションに繋がり、治療成功率を高めます。人工爪(アクリルパウダー)は非常に硬い医療用アクリル樹脂で、当院で世界的ピアニストやプロスポーツ選手の爪補強にも実績のあるタフな素材です。
手洗いや入浴などの日常生活はもちろん、スポーツもすることができます。
5.爪噛み矯正のスケジュール
人工爪で保護された状態で爪は伸びますが、概ね1ヶ月おきに人工爪を新しいものに載せ替えます。1回の施術時間は90分で症状によって2~4回の施術を実施。期間にして3~5ヶ月間で爪を先端まで伸ばすことができます。ここまでが治療の第一段階になります。
自爪が先端まで伸びてからが治療の第2段階。なぜなら、時間と費用を掛けて爪を伸ばしても、そこで治療をやめてしまうと、ほとんどの方がまた噛んでしまうからです。
治療と言っても通院は不要。ご自宅でご家族に爪を切ってもらうだけで費用もかかりません。お近くのネイルサロンで爪切りを依頼するのも良いでしょう。
私は、このように自分以外の人に爪を切ってもらうことを「第三者との爪の共有」と呼んでおり、これが“爪噛み治療を成功へと導く鍵”だと考えています。
爪を自分だけのものと考えず、第三者と共有することで、噛みたいという衝動に強いブレーキがかかるのです。毎週決まった曜日、決まった時間に爪を切ってもらい、その方に一種間の努力の成果を見てもらうのです。
これを自信がつくまで続けることが大切。それには数ヶ月から人によっては数年かかるでしょう。未来のために今、しっかりと断ち切ることが大切。根気強く向き合いましょう。
6.爪を噛まないためのセルフコントロール
再発対策のために、最近の研究で高い効果が認められている『癖の置き換え療法』を試してみるのもいいでしょう。
◎デカップリングといって噛みたくなったら数秒間、拳を強く握る方法
◎習慣逆転法といって指が口元にいきそうになったら、そのまま耳たぶに触れる方法
上記2点の方法が、効果が高いと言われています。
私が患者さんにお勧めしているのは「ストレスボール」や「爪噛み矯正リング」「爪噛み矯正トイ」の活用です。爪を噛みたくなった時でも変わりにこれらに触れることで安心感が得られ、繰り返すうちに衝動をコントロールできるようになり、最終的には完全離脱を目指します。
7.爪噛み矯正の費用
ここまでご紹介した人工爪による治療とそのプロトコルは、私自身が考案した『神楽坂 肌と爪のクリニックオリジナル』。そのため、治療に健康保険は使えず、自費診療となります。
施術費用は指1本あたり1回3,000円です。両手すべての指(10本)だと1回で税込み30,000円となります。症状によって2回から4回の施術が必要ですので、指10本の場合、軽傷の方でも6万円。かなり噛んでいる方で12万円が予算の目安となります。この他に、初診時のみ初診料3,000円が掛かります。
尚、料金については予告なく変更することがございますので、当院ホームページの料金表からご確認ください。
8.おわりに
爪噛みの治療に積極的に取り組んでいる医療機関というのは、残念ながらあまり多くないのが現状。そのため治療の機会を失っている患者さんがたくさんいらっしゃるのが残念でなりません。今回の記事によって、現状の改善に少しでも役立てられれば嬉しいです。
尚、神楽坂肌と爪のクリニックで治療をご希望の方は、当院ホームページの問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。
ご相談、お待ちしています。
◆15才未満の方は、以下の理由で治療を行っていません。
└自然治癒が期待でき、費用と時間が無駄になってしまう可能性が高い
└本人に爪噛みをやめようとする意欲が薄いため治療達成が困難
└施術時間が90分と非常に長く本人の負担が大きい
└人工爪誤飲のリスクがある
<15才未満の方にはかかりつけの小児科で相談されることをお勧めします>
【記事監修・執筆】
医師 医学博士 院長 野田 弘二郎
- 日本形成外科学会専門医
- 皮膚腫瘍外科指導専門医
- プロネイリスト
- ミラドライ公式認定医
- オールアバウト公認 肌と爪の健康ガイド
- パリ第7大学ドゥニ・ディドロ微少外科手術ディプロマ取得
- 日本形成外科学会、国際形成外科学会、日本美容外科学会、日本皮膚外科学会、日本美容医療協会会員
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グリーンネイルに関するウソとホント その2 神楽坂肌と爪のクリニック 院長野田弘二郎
ネイリストや皮膚科専門医でも間違って理解していることが非常に多いグリーンネイル。爪の専門医神楽坂肌と爪のクリニック院長野田弘二郎がその真実に迫るというこのブログ、「その1」は読んだけどいつになったら「その2」を書くんだよ?という問い合わせは実は一件もありません(T-T)。でも「その1」はかなりの方に読んでいただけたようなので「その2」を書くことにしました。グリーンネイルについて良く言われる噂4と5。さて、このうち事実はどれでしょう?爪の知識に自信のあるあなた!是非挑戦してみて下さい。(1〜3についてはこちら。)
4.グリーンネイルには抗生物質の飲み薬による治療が必要
5.グリーンネイルは変色した爪を削り落とすと良い
答えは↓
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こちらのブログもよく読まれています。ぎゃー!!耳キレた〜!
ピアスによる耳切れ「耳垂裂」がこんなにきれいになります!(ビフォー・アフター画像あり)
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正解は、全てウソ!!!!!!!
では説明です。まず4から。グリーンネイルには抗生物質の飲み薬による治療が必要>ウソ!!すごく効く飲み薬をたくさん飲んだとしてもグリーンネイルに全く効果がないんです。理由は飲み薬の成分がグリーンネイルになっている爪とジェルの間にできた隙間には届かないから。飲んだ薬は消化管で吸収され、血管の中でアルブミンという物質に結合し、血液の流れに乗って作用部位まで運ばれて効果を発揮します。つまり飲み薬が効くためには作用部位に血液が流れていることが大前提なのです。ではグリーンネイルになっている爪とジェルの間にできた隙間はどうでしょう?ただの空洞であって血は流れてませんよね??つまり抗生物質を飲んでも爪とジェルの間にできた隙間に薬が運ばれることは決してないのです。だから効かないのです。ちょっとは効くでしょうって??いえいえ、全く効きません。
でも、爪水虫には飲み薬が効くじゃないかって?あなたは鋭い!でもね、爪白癬はグリーンネイルのような爪とジェルの間にできた隙間の病変ではなくて「爪実質」病変なのです。「爪実質」、言い換えれば爪そのもの、つまり角質を白癬菌が食い荒らしている状態です。食い荒らされて爪がボロボロになってます。では爪表面の隙間同様、血流のない実質にどうやって飲んだ薬を届けるのか?爪白癬では薬のターゲットは爪そのものでは無くて爪母という「爪を作っている細胞」なのです。そしてその爪母には豊富に血が流れています。血液に乗って爪母に届いたお薬が爪母細胞に蓄えられ、細胞が爪を作る時に爪実質に移行していきます。そうすると薬を含んだ爪がどんどん作られます。薬を含んだ爪が先の方に伸びていき、爪の中になる白癬菌を押し出すように治癒させます。だから爪白癬の治療は半年とか1年とかとっても時間がかかるんですね。それに対してグリーンネイルは爪甲そのものに異常がないんです。繰り返し書いたように爪とジェルの間にできた隙間で緑膿菌が増えているだけなんです。
実はこの事をブログに書いたり取材でお話しするのは初めてです。というのも当院に来院されるグリーンネイルの患者さんの中には前にかかったお医者さんから抗生物質の飲み薬を処方されたけど効かないという方がとってもとっても多いんです。つまり飲み薬が効くと考えているお医者さんがすごく多いってことですね。私が本当のことを書くとそうした先生が怒っちゃうんじゃないかと心配したんです。あるいは患者さんがそういう先生方ともめちゃうんじゃないかと。でも書かないのもブログ読んでくれた人の利益にならないのでもう書いちゃえと。で、はい書きました。飲み薬だって効くんだっておっしゃる同業医師の皆様からの反論も大歓迎ですのでこちらまでお願いします。(ちなみにこの記事を公開して以来一度も反論はいただいておりません)
次に5。グリーンネイルは変色した爪を削り落とすと良い>ウソ!というより削ってはいけないんです。これも書きにくかった!だって、私のところに来院されある患者さんはグリーンネイルを発見したネイリストによってめっちゃ爪を削られてるから。グリーンネイルはお客さんとトラブルになりやすいので、気がついたネイリストさんはメチャメチャ焦るんでしょうね、でメチャメチャ削っちゃうんですね。そうすると爪が薄くなってしまうのですが、やり過ぎて中央が赤くヒリヒリしたり、最悪穴が開いちゃったり!!ウソと思うでしょうがほんとにそいういう患者さんがいたんですから!それに爪って薄くされちゃうと次にジェル載せた時にまたグリーンネイルを起こしやすいんですよ。爪がペコっと変形した時にジェルと爪の間のズレが生じて隙間になりやすくて、そこがグリーンネイルになるんですが、薄くされるとますますペコッとなりやすいんですね。で、次またグリーンネイルになりやすくなるという理屈です。
少なくないネイリストがやってはいけない方法で対処してしまっているんです。じゃ、グリーンネイルの爪はどうしたら良いか?ここまで熱心に読んでくれた読者の為にどこにも書いていないグリーンネイルの正しい対処法を爪の専門医である私が教えちゃいます。
1.普通にジェルをオフします。緑色になっていない爪も全部オフします。
2.石鹸をよく泡立てて丁寧に洗います。薬用とかじゃなくても、液体でも固形でもフォームでも。石鹸なら何でも良いんです。
3.爪の表面を指でこすって緑の色素を落とします。こすりすぎるのはだめ。
4.たっぷりの水ですすぎます。流水で20秒くらいで良いでしょう。
5.タオルで拭いたら何も塗らずに乾燥させましょう。
以上です!
「え??それじゃ手洗ってるだけじゃん?まだ緑色が残っているんですけど?!」というお声が聞こえてくるようです。でも良いんです!ジェルの時にサンディング(ヤスリで削る前処置)された爪は表面がザラザラなので色素が食い込んで取れにくいこともよくありますが、自爪で生活するうちに色はだいたい取れます。最後はあったとしても薄い黄色になっているはずです。2週間は自爪ですからマニキュア塗ったり、オイル塗ったりしないで下さいね。何だったら塗っても良いかって?ハンドクリーム使う時に爪についちゃうくらいは良いでしょう。あとは例外なく全部やめましょうね。消毒液も抗菌剤軟膏もすべて不要です。2週間何もつけずに自爪で生活すれば多少色が残っててもジェル再開もOKです。色は色素が残っているだけで菌自体はいなくなっていますので安心して下さい。のせるジェルはピンクとかだとグリーンが透けるからネイビーとかがお勧めです。
その1でも書きましたが、このブログに書いたのはジェルを塗っている方の爪の表面にできたグリーンネイルのお話です。剥がれた爪の裏側のグリーンネイルは原因、症状、治療法が全く異なりますのでご注意下さい。それについてはまた別の機会に詳しく説明します。
長い記事をお読みいただきありがとうございました。グリーンネイルに関する俗説、ネット情報、ネイリストや皮膚科医といった専門家とされる人達の知識までがいかにいい加減かご理解いただけたことでしょう。正しく理解してジェルを楽しんで下さいね。くれぐれもグリーンネイルになったからとサロンやネイリストに噛みついてはいけませんよ。恥をかきますから。またネイリストも開き直ってはいけませんが必要以上に罪を感じる必要は無いのです。正しく対処して、念のため皮膚科受診を勧めてください。もちろんジェルがリフトしにくいよういつも技術を磨きましょう。
お願い!!当院に受診を検討されてらっしゃる方へ。
当院の医師はグリーンネイルになっている指以外を含めて、全ての指の状態を診察しますので全ての指のジェルをオフしてからご予約(完全予約制)をお願いしております。クリアジェルやオイルを含めて、一切何ものせずに、自爪で来院をお願いします!!せっかくおいでいただいても、再度出直していただくことがよくあります。たとえ「他の指はなんともない」としても、「ジェルを載せたばかり」だったとしても、「ネイリストが良いといった」としても、必ずオフしてから初診をお願いします。
グリーンネイルに関するウソとホント その1 神楽坂肌と爪のクリニック 院長野田弘二郎
ネイリストや皮膚科専門医でも間違って理解していることが非常に多いグリーンネイル。今日は爪の専門医神楽坂肌と爪のクリニック院長野田弘二郎がその真実に迫ります!グリーンネイルについて良く言われる次の5つの噂。さて、このうち事実はどれでしょう?
爪の知識に自信のあるあなた!トップクラスのネイリスト?それともベテラン皮膚科専門医?是非次の5つの○×問題に挑戦してみて下さい。
1.グリーンネイルはカビの一種である
2.グリーンネイルは不潔なネイルサロンでうつることが多い
3.グリーンネイルは他の指にもうつりやすい
4.グリーンネイルには抗生物質の飲み薬で治療する
5.グリーンネイルは変色した爪を削り落とすと良い
答えは↓
答えは↓
答えは↓
こちらのブログもよく読まれています。ぎゃー!!耳キレた〜!
ピアスによる耳切れ「耳垂裂」がこんなにきれいになります!(ビフォーアフター画像あり)
答えは↓
答えは↓
答えは↓
答えは↓
全てウソ!!!!!!!なんと!!
では解説しましょう。
まず1。グリーンネイルはカビの一種である>ウソ!!グリーンネイルで見られる鮮やかな緑色、これはピオヴェルディン、あるいはピオシアニンという色素の色なのですが、皆さんお馴染みのパンにつく青カビの色によく似ていますね。このためグリーンネイルはカビだと思い込んでいる方が実に多い、というか、お医者さんやメディアの方も含めてなぜかほとんどがそう思いこんでらっしゃる。でもつくられる色素の色は似ていても実は全く違う物です。グリーンネイルの原因となる病原体はカビではなく、緑膿菌という細菌です。水虫菌とも違いますよ。実は水虫のほうこそカビの一種、これはまた別の機会に。
医療関係でない方には病原体となる細菌、真菌(カビ)、ウイルスなど微生物の違いはわかりにくいと思いますが、細菌と真菌(カビ)はテントウムシとでんでん虫くらい違います。ん・・・?余計わかりにくいか・・・。なんかイメージが似てるけど実は全然違うものなんだよということが言いたかったんです。赤くて黒い点のある小さな甲虫テントウムシと貝殻をしょったナメクジみたいなでんでん虫を間違える人なんていませんものね。
当院受診の前に他の皮フ科でグリーンネイルに水虫の薬(抗真菌薬)が処方されている患者さんを非常に多く診察します。緑膿菌には抗真菌薬は全く無効ですので効果はありません。まぁ、だから治らなくて困った患者さんが当院へいらっしゃるのだと思いますけどね。皮膚科専門医さえ正しい知識が無いのがグリーンネイルなんですよ。普通に人が誤解しても仕方ないですね。あ、たまに爪のカビである白癬菌と緑膿菌の混合感染はありますよ。つまり両方にかかっているというケースです。この場合は白癬菌に効く抗真菌薬を使うのが普通です。
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次に2。グリーンネイルは不潔なネイルサロンでうつることが多い>ウソ!そもそもネイルサロンでうつるという世の中の常識がウソなんです。私の所にいらっしゃる患者さんにはサロンでグリーンネイルになっちゃって散々もめた後という方も多くて、じっくりお話を伺った後で「実はサロンでうつったわけじゃありませんよ」と言うと皆さんメチャメチャ驚かれます。お店で「訴えてやるっ!てすごんじゃったのに・・ヤバッ!(実話)」まぁまぁ落ち着いて下さい。
んじゃ、その緑膿菌ってやつどこから来たの?ええ、それがね、意外なところなんですよ。それは皆さんの手の皮膚です。「うぇ〜〜〜!!あんなに洗ってるのに〜!」またまた驚かれます。実は緑膿菌は常在菌といって正常な状態で皮膚に上に普通に住んでいます。緑膿菌に限らずいろんな菌がいるんですよ、実は。細菌叢と呼ばれる集団を作って私たちの健康に役立ってるんです。「腸内細菌叢」って聞いたことありますよね?同じシステムが皮膚にもあります。ふだん個々の細菌は普段は少数しかおらず、イイ感じでバランスしているのでなにも症状はないのです。むしろ健康に役立っているのです。
でも何らかの理由でバランスが崩れると悪さをすることがあります。例えば緑膿菌は狭くて湿った隙間を見つけるとそこでわ〜っと増えて、独特の色素を作り出し爪を緑色に染めるんですね。狭くて湿った環境とは、例えばジェルの浮き上がって出来た爪との隙間みたいなところです。だからグリーンネイルをよく見ると隙間の形に色がついていますでしょ?他にジェルによるカブレやケガで爪が浮き上がってできた隙間でも増えますよ。同じように緑色になりますが、ジェルの浮き上がりで見られるグリーンネイルとは治療法や予後が全く違います。コレもまた別の機会に
さて、グリーンネイルは菌の数が増えていますが炎症をおこしている訳ではないので痛くもなんとも無いんです。ちょっと臭いけど(^_^; 緑膿菌ってピオ臭という独特に臭いがあるんですよね。傷の手当てで現場経験のある医師や看護師ならご存じのはず。そう、あの臭い。因みにピオはpyo、つまり「膿」のことですが、医療現場ではピオと言えば特に緑膿菌のことを指します。この俗称は緑膿菌自体の発見がガーゼについた「膿」がきっかけだったことに由来します。医療業界に多い隠語の一つです。因みに緑膿菌の学名はPseudomonas aeruginosa。私は医者に成り立ての頃、どうして緑膿菌ってシュードモナス・エルギノーサなのに「ピオ」っていうんだろ?と悩んだことがありました。30年以上も前の話です。
次は3。グリーンネイルは他の指にもうつりやすい?ここまで読まれた方はもうおわかりですね。答えはウソ!グリーンネイルはうつりません。繰り返しになりますが、ジェルが爪から浮いてできた小さな隙間に水が入り込んで狭くでジメジメした環境ができます。そうした環境でそこにもともとそこに住んでいた緑膿菌が増えたのです。2本の指にグリーンネイルになった時、どちらからうつったと考える人が多いですが違います、うつりませんから。2本の指に同時に緑膿菌が増えやすい条件が揃って、もともとそこに住んでいた緑膿菌が増えたに過ぎないのです。もうわかりましたね?グリーンネイルはうつる病気ではないのです。私は爪の専門医として毎日グリーンネイルの患者さんの爪に触れていてますが、私自身は決してグリーンネイルにはなりません。
長くなりましたので4と5はこちらでお読み下さい。
お願い!!当院に受診を検討されてらっしゃる方へ。
当院の医師はグリーンネイルになっている指はもちろん、なっていない指も含めて全ての指の状態を診察しますので全ての指のジェルをオフしてからご予約(完全予約制)をお願いします。クリアジェルやオイルを含めて、一切何ものせずに、自爪で来院をお願いします!!また当院ではジェルやマニキュアのオフはいたしません。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
院長NHKに出演いたします
おはようございます
本日NHKの「あさイチ」に院長が出演いたします
正しい足の爪の切り方などについて解説しております。
9時過ぎからの予定です。
よろしければご覧ください!
親指爪のボコボコは謎の奇病?いいえ治せます!洗濯板状爪 その1
親指の爪が波打つようにデコボコしていて長年悩んでいる方がいらっしゃいます。
名刺を渡す時にギョッとされる
資料を手渡す時に見られるのがイヤで指先を隠す不自然な動作になる
コンビニのお釣りのやりとりで店員の目が気になってしまう
食事中に相手の目が指先で一瞬止まる
・・・これは母指爪のデコボコ変形で来院された方々から伺った実際のお悩みです。
こんな悩み、あなたまもありませんか?
まずはググって調べますよね?で、ネット情報にはビタミン不足、亜鉛不足、ビオチンが効く・・・など治療したことも無いくせにもっともらしいことを書いている皮膚科医が多くて驚きます。育爪サロンで売っている何千円もするケアオイルなんてのもあります。試したという方も多いですが効果はありません。だって全部根拠のない話し、率直に言ってウソですから!
色々試してもだめ。患者さんは変形に悩んだ末に病院で相談してもそこでも医者は首を捻るばかり。
「わからない」「水虫かな」「内蔵の病気かも」いろんなことを言われ、検査を繰り返しても異常はみつからず・・・しまいには「爪は専門外」「珍しい謎の奇病」だから大きい病院へ行きなさいと。
ところが大学病院、国立病院、爪の専門家、10軒以上回っても偉い先生達も言うことは同じ。
「様子を見なさい」「保湿しなさい」中には「死ぬことは無い」なんてドクハラ(ドクターハラスメント)発言まで!悲しいことにどれも私が患者さんが当院来院前に体験された実話です。
こうした深刻な悩みを持つ患者さんが私のクリニックには月に5−6人はいらっしゃいます。
実は珍しくもないし、奇病でもないのです。
こうした患者さんに共通する爪の状態とは・・・
1.親指の爪中央に、根本から先端まで一定の間隔で刻まれる横筋がある
2.爪半月が異様に大きい、甘皮が無い、爪の付け根の皮膚が腫れている
3.爪周辺にサカムケがたくさんあり、皮が剥けて赤くなっている
さて、なぜこのような事が起きるのでしょうか?原因は意外にもアレなんです。
意外な理由?爪がボコボコになる原因とは
実はこの爪のデコボコは「ハビットティック(habit tic)」といって、自ら爪をいじってしまう癖が原因で爪が変形してしまっている状態なのです。
ハビットティックの方の特徴
- 人差し指や反対の親指で爪の付け根を繰り返しいじってしまう
- 甘皮やサカムケもむしる癖がある、皮膚が乾燥しやすいと感じている
- 子供の頃に指しゃぶりや爪を噛む癖があった
【爪噛み癖についての記事を読む】
- ストレスが多い仕事、環境にある、緊張がかかると、あるいは解けるとつい爪をいじってしまう。
経験のある医師なら特徴的な爪変形から簡単に診断できます。検査も必要ありません。
受診した先の医師が知っているか知らないか、その経験と知識が全てなのです。
患者さんに変形の理由を説明すると、「そうか!確かにいじる癖があります!」「自分では内心そう思ってました」とすぐにご納得いただくことも多いのです。
でも、実は説明が難しいことも少なくないんです。
癖というデリケートな問題を含み、患者さん自身そうした癖を恥ずかしいと思ってらっしゃる場合も多いので、医師が無遠慮にそのことを指摘したり、伝え方を誤ると患者さんを不快にしてしまったり怒らせてしまうこともあるからです。
丁寧に説明し、そういうことも可能性としてあるといった言い方でお伝えしないと、「そんな癖はない!」「サカムケは乾燥が原因ですから!」「水虫に間違いないんだもう一回検査をして下さい!」とお叱りを受けることもしばしばです。
これではいかに正確に診断できても治癒に導くことはできません。ハビットティックの爪変形治療には患者さんの協力と理解が必須だからです。
でも私のクリニックにはそうした患者さんでも納得していただける秘策があります。
それは他の病院には無い、何百例ものハビットティックの治療前・後の症例写真。もちろん我々自身が治療したケースの写真です。ご自身とそっくりの爪の変形が、そして今までどの医師も診断も治療もできず、治らないと半分あきらめて長年悩んできた爪が、まるで魔法のように治っている様子をご自身の目で確認していただくのです。
今まで保湿やマッサージなどの治療法を提案はしても症例写真を見せてくれた医師はいないのですから遙かに説得力があるはずです。
更に今ではYoutube動画やこのブログを読んだ患者さんが治療への理解を深められた上で来院されますので、私にとっても患者さんにとっても最短で治癒に結びつく良い環境になりました。
水虫に違いないと思い込んでいた患者さん達もそうした情報で治療に納得し、信頼していただける。そして少しづつご自身の事を話していただけるようになることもあります。
「実は少しだけいじる癖があるんです・・・。」「でも爪は硬いから癖で変形するなんて信じられなくて・・・」と・・そりゃそうです。
あんな硬い爪がちょっとイジるくらいで変形するなんて普通の方は思いません。
でも指先ではカチカチに硬い爪も、付け根でまだ生まれたばかりの時はすごく柔らかいのです。
患者さんの中には「やっと希望が持てました!!」と、治療が始まる前から喜びの涙を流される患者さんもいらっしゃいます。
今まで医師に見捨てられたようでとても辛かったんだろうなぁと我々も同情していまいます。
そう、ハビットティックでの最大の問題は、これを知らないお医者さんが非常多いこと。日本の教科書には載ってません(2016年から一部の本に載るようになりました)からしょうがないのかもしれません。そういう私も、海外の医学雑誌や文献を探してようやく見つけたのです。試しに「habit tic」でググってみてください。外国の写真がヒットしますが国内の医師が撮影した写真はありません(2023年5月現在)
さて、次回のブログではハビットティックとストレスの関係について、そしていよいよその治療法についても解説していきます。
AllAbout記事 グリーンネイルについて
東京も本格的に暑くなってきましたね
今回のオールアバウトの記事は
グリーンネイルの症状・治療・予防法
http://allabout.co.jp/gm/gc/469954/
です。
グリーンネイルは緑色爪とも呼ばれ、
爪と皮フ(爪床)の隙間や、
爪とジェルネイルなどの付け爪の隙間の
緑膿菌感染によるものです。爪が緑色に見えるのが特徴です。
よろしければご覧下さい。
靖国神社は御霊祭りの真っ最中
そして神楽坂は神楽坂まつりに向けて
準備が進んでいます
楽しみです!!
神楽坂 肌と爪のクリニック |
院長 フジテレビ『ノンストップ』 生出演
本日 肌と爪のクリニック院長が、
朝の情報番組『ノンストップ』に
またまた出演の依頼を頂き行ってまいりました!!
しかも生出演させていただいております!
個人的には 設楽さんから、ボケコメントを頂いた辺りの掛け合いが面白かったです笑
内容ですが
乾燥の季節に健康的な爪を保つ方法や、
内臓疾患が推測出来る爪の変化などです。
↓院長の顔がちょっとコワイですかね
出演に伴い、院長診察が休診となっておりました時間帯には
大変ご迷惑をおかけ致しました。
ご協力ありがとうございました
神楽坂 肌と爪のクリニック
http://www.hadatotsume.com/treatment/treatment.html
All About記事 爪白癬治療について
おはようございます
オールアバウトの記事についてです。
少し間が空いてしまいましたが、
爪白癬の現在の治療法について書かせていただきました。
治りにくい爪の水虫「爪白癬」と進化する治療法http://allabout.co.jp/gm/gc/465466/
2年前まで、爪白癬の治療は内服薬しかなかったため、
薬の副作用や、他の飲み薬との飲み合わせなどの関係で治療が難しいことも多々ありましたが、
爪白癬専用の塗り薬が登場したことで、爪白癬治療は大きく変化しました。
よろしければ、お読みください
神楽坂 肌と爪のクリニックhttp://www.hadatotsume.com
メディア掲載情報を更新いたしました✨
お知らせです.
8月10日に発売されました
PHP研究所「PHPのびのび子育て」9月号
足トラブル解決&フットケア これで安心(94~97ページ)
外反母趾、ウオノメ、タコ、巻き爪などの原因・治療、日頃行えるフットケアなどについて院長が詳しく解説しております。
よろしければご覧ください
。
また半年ぶりに
当クリニックのメディア掲載情報も更新しておりますので、合わせてご覧いただけますと幸いです。
皆様毎日暑い日が続きますが、熱中症などどうぞお気をつけください
。
神楽坂 肌と爪のクリニック
https://www.hadatotsume.com/media/
朝日新聞朝刊
今朝の朝日新聞医療面で、
院長が読者の皆様の爪に関するご質問にお答えさせていただきました
http://www.asahi.com/apital/articles/SDI201606088646.html?iref=com_api_hea_hatenatop
割れ爪に関してです。よろしければご覧ください
当クリニックでは、医師の診察の上、経験豊富な医療ネイリストが施術を行っております。
初診時爪の先端が割れてずっと治らず、洗髪や着替えなどの日常生活が不便なために来院されました。
⬇️施術後ジェルやアクリル樹脂を用いて、割れた部分を塞ぐように固定をします。施術直後から、とても快適に過ごしていただけます。
爪に関するご相談はこちらまでお願いいたします。
神楽坂 肌と爪のクリニックhttp://www.hadatotsume.com/treatment/wire/wire.html