ファーストピアスで医者が気をつけて欲しいと思うこと
私のクリニックではピアストラブルの治療をたくさん治療していますが、本日は医師としてファーストピアスをあける時に気をつけて欲しいことについてお話をさせていただきます。というのもピアストラブルの多くがファーストピアスの失敗によるものだからです。特にセルフのファーストピアスはトラブルが多いのですが、私の受けた相談の中には・・・
・左右で位置がずれた
・ピアスを刺す角度がそろわず、つけたピアスがあべこべの方向を向いてしまう
・場所が不適切なためせっかく買ったピアスがつけられない
・同じ耳に二ヵ所をあけたら距離が近すぎてピアス同士が当たってしまいつけられない
・開け直しているうちに使わないピアス穴がどんどん増えてしまった
なかには、場所が不満であけてくれた友人とケンカになってしまったという話しも伺いました。
確かにファーストピアスに健康保険は使えませんし、費用(医療用品質ピアスと医師の技術料)も1万円前後と決して安くはありません。でもキレイにあけて貰えますし、ファーストピアスでトラブるとその後生涯に渡って様々なトラブルが続くことも珍しくないのです。経験ある医師によるピアッシングは安心で快適なピアスライフを楽しむためには充分に見合う投資だと言えます。
ファーストピアスで気をつけて欲しいこと
1.いつあけるか?:本人がピアスの社会的な意味とピアシングに伴うリスクを充分理解し意志決定できる年齢であること、16才以上になるかと思います。未成年の場合は保護者の同意があること。お子さん同士でおかしな場所にあけてしまい、お母さんに連れられて開け直しに来院される方もいらっしゃいます。校則など社会的ルールに反していないことも大切です。妊娠中はケロイド発生のリスクが高まると言われているので避けてください。
2.どこであけるか?:トラブルを少なくするため病院であけるのが望ましいです。痛みが少なく、キレイにあけることができますしトラブルにも対応して貰えます。またピアス穴を開けることは医療行為(法律用語では医行為)なので、医師ではない人がピアスを開けることは厳密には違法です。ただしご自身やお友達があける場合は仕事として行うわけではないため違法にはなりません。
3.どこにあけるか?:ピアスの位置についていくつか医学論文がありますが、どれも何十年も前のものでさすが時代遅れです。当院では多数のピアッシングとピアストラブル治療の経験から、耳たぶの付け根(下耳底点を通る垂線)から7ミリ、耳タブの縁(耳垂遊離縁)から5-7ミリを基準としています。この基準をもとに患者さんの好み、耳タブの形状(水平型、遊離型、癒着型)、耳たぶの左右差、耳介頭蓋角(耳の立ち方)、すでに開いているピアス穴や傷跡等との位置関係から微調整を行い、安全な場所を探してペンで印をつけてお見せします。患者さんに確認していただき同意が得られればそこにあけます。また軟骨部は血流が悪いため感染しやすく、組織が硬く傷つけやすいためケロイドや軟骨炎による変形のリスクからお勧めしません。耳たぶのどこまで軟骨があるか正確に知らない方も多いのですが、あまり上のほうにあけないほうが無難です。
4.どうやってあけるか?:医療機関ではピストル型の医療用ピアッサーが多く使われています。専用の医療用ピアスをセットして使用し、千分の数秒というほぼ一瞬で穴開けとピアス装着が完了します。市販のピアッサーと比べて、痛みが少ない、一瞬で終わる、位置や角度がずれにくいといったメリットがあります。逆に市販のピアッサーも問題点はこの刺入速度が遅いため痛みが強い、一瞬ずれて斜めにあけてしまう、ピアスの質が悪いなどがあります。またあける人もあけられる人も不慣れなためそもそも左右で位置が違う、顔が傾いていたり耳たぶを引っ張るなどで斜めに開いてしまう、あける場所がファッション優先で端過ぎるなどがあります。
5.麻酔を使うか?:病院であってもピアッサーであける場合は局所麻酔は使いません。ピアッシングより麻酔の注射のほうが痛いからです。但しトラガスなどピアッサーが入りにくい場合は局所麻酔の注射をして、太い注射針で孔を開けてピアスを通すこともあります。なおトラガスは軟骨部なうえに狭い場所なので特にトラブルが多いです。
6.医療用ピアスとは何か?:ファーストピアス専用で構造はスタッドピアスで市販ピアッサーも同じです。材質は骨折手術でも使われるサージカルステンレスやチタンです。良いピアス穴を作るために普通のピアスより軸が太く、長さは耳タブによって選ぶ事ができます。またスムーズな穴開けのため軸の先端はやや尖っていて、固めのキャッチで外れにくくなっています。皮膚にめり込むのを防ぐために石やキャッチが大振りにできています。
7.ファーストピアス後の管理は?:1日1回シャワーの時に、耳たぶを軽くすすいだあと、ピアスの石持って半周だけ回してください。その時以外はピアスに触れないこと。ピアスによる赤みや腫れの最大の原因だからです。
8.消毒はしなくていい?:病院によってはファーストピアス後に消毒を勧められることがあると思いますが、消毒液はカブレが多く、ピアスをすすぐのも不十分になりがちでむしろ逆効果。そもそもピアスを消毒しないと化膿するとか水に濡らすとバイ菌が入るというのは、失礼ながら医学的に時代遅れの考え方です。毎日シャワーですすぐだけで充分清潔を保て、むしろトラブルが少ないです。
9.セカンドピアスの選び方は?:1.5〜2ヶ月後にセカンドピアスに入れ替えます。素材は18金やプラチナ、チタンなど肌に優しい素材がお勧めです。粗悪品も多いので必ず信頼出来る店舗で購入しましょう。デザインはピアスヘッドが3ミリ以上のスタッドピアスで軸の長さに余裕があるものを選びましょう。耳たぶを締め付けないようキャッチに1ミリ以上余裕を持たせて下さい。最初の2年間はフック型や重いピアスも避けましょう。
10.ピアスに不慣れな間に気をつけることは?:ピアス穴を傷つけないようにピアスを入れる時には慎重に。お出かけ前など慌てている状況でピアスをつけないで下さい。ピアス軸の先端に軟膏をつけると滑りがよくなり壁を突き破ることがありません。ピアストラブルの多くはピアスをつけはずしの時に起きるので頻繁につけ外ししないで下さい。安定しない間は自然とピアス穴が狭くなることもあり、そこに無理に入れると傷つけて腫れます。傷つけるくらいならピアスをつけっぱなしにしているほうがトラブルは少ないのです。
11金属アレルギーを防ぐためには?:ピアスを複数あけるとリスクが高まることが分かっています。また金属が汗や海水にふれると金属アレルギーを起こしやすくなるので汗をかきやすいときや海水浴の際はピアスを外して下さい。これはピアスに慣れた後も同様です。
・最後に病院選びについて。ピアスは皮膚科や形成外科、美容外科などであけてくれることが多いです。どの医療機関を選ぶかは難しいと思いますが、次のうち二つ以上を満たせば、まず安心だと思います。
1.あけるだけでなくトラブル時の対応もしっかりやってくれること:ホームページに明記されていますか?
2.ピアスの素材やデザインが複数から選べること:5種類以上選べるか電話で確認しましょう。
3.皮膚科か形成外科の専門医が直接あけてくれること:予約の時に電話で確認しましょう。
4.ピアス以外に消毒液や対策品の購入を勧めてこないこと:これは事前の確認が難しいかもしれません。
今回は私が日頃の診療を通じて感じているファーストピアスで気をつけて欲しいことについてお話ししました。ファーストピアスを正しくあけて、安全で快適なピアスライフをスタートさせて下さい。
教えて肌爪先生!自宅でできる陥入爪セルフケア7選
こんにちは。肌爪先生こと神楽坂肌と爪のクリニック院長の野田です。陥入爪の痛み、ジクジクに悩みながらも「病院にいく時間がない」「痛くされるのが恐い」という方も少なくないと思います。「セルフケアでしのげないか?」「病院に行くのを先延ばしたい」その気持ちよくわかります。
セルフで手当するにしてもどうすれば良いでしょう?俗説や民間療法、間違ったネット情報で処置をしてしまい、結果何年も長引いたり、病院受診の時に重症化していたりすることも珍しくありません。我々医師としては、受診が遅れてしまったのは仕方ないにしても、せめて正しいセルフケアをされていたなら外科処置は避けられたのに・・・そう思うこともしばしばです。そこで今回は「自宅でできる陥入爪セルフケア7選」と題して正しいケアについて深掘りしてみます。
【目次】
セルフケアで一番大切なこと?
<安静にする/清潔にする>
<塗り薬/飲み薬>
<テーピング/コットンパッキング/市販矯正器具>
騙しだまし痛みを隠し続けるか。積極的に痛みを取り除くか。
セルフケアで一番大切なこと
ところで、皆さんは『wound healing(ウーンドヒーリング)』という言葉をご存じでしょうか。これは、医学用語で創傷治癒、つまり傷の治りのことで、傷を正しく管理することで治癒を早めようという考え方です。
傷の手当について
「傷口は乾燥させた方が良い」
「傷は濡らしてはいけない」
「毎日、消毒しない化膿する」
と思い込んでいませんか?以前は医師でもそう考えるのが普通でした。しかし、専門医の間では「むしろそんなことはしてはいけない」という風に傷に対する考え方も大きく変わってきています。医師による治療はもちろん、皆さんのセルフケアにおいても「ウーンドヒーリング」の考えに基づいた正しい傷の管理が大切。それによりもともと持っている自然治癒能力を最大限引き出すことができ、速く傷を治したり重症化を防ぐことができるのです。うまく管理でできれば病院には行かずに済むこともあるかも知れません。
<安静にする/清潔にする>
①安静にする
ここでは身体の安静だけではなく“傷の安静”も含みます。足をむくませないためにお散歩やお買い物などでの歩き過ぎを控える、長時間立った姿勢を避ける、ストッキングやハイヒールによる圧迫をしないなどです。配達や立ち仕事や通勤でパンプスを履く方などから「数日仕事を休むと傷の状態がよくなる」という話をよく伺います。ウーンドヒーリングのためにむくませないこと、圧迫しないことが大切。とくに足の負担の大きい仕事をされている方や靴の圧迫に心当たりのある方は安静の実践により状態は確実に改善するはずです。
②清潔にする
「清潔にする」と聞いて何をイメージしますか?毎日しっかり消毒する?傷は濡らさない?実はどちらも間違い。良く聞く「濡らさないようにビニール袋に包んで入浴し、その後しっかり消毒する」というありがちな方法は実はNGなのです。
「風呂に入れると湯のバイ菌が傷は入るから不潔」と思っている人が多いですが、菌の数から言えば実は風呂の湯より化膿した傷の方がずっとずっと汚いのです。また驚く方も多いと思いますが消毒液は細胞毒でもあり傷の治癒を遅らせるので消毒はむしろしてはいけないことです。
ではどうすれば清潔になるのか?簡単です。毎日傷の汚れ(浸出液やこびり付いた軟膏など)を泡立てた石鹸とたっぷりのぬるま湯で洗い流せばいいのです。傷を石鹸の泡で包み3分待ったらよくすすぎます。シャワーを傷に直接ではなく膝のあたりにあて、湯を指先まで湯を流します。その後は風呂の湯に浸けてもいいし、抵抗があるのなら足浴もおすすめ。
洗う湯の中に消毒液を入れる・塩を入れると書いてある本もありますが、難しく考える必要は一切ありません。お風呂の蛇口やシャワーから出てくる“ぬるま湯”で十分。石鹸も薬用ではなく家にある普通のやつやフォームタイプのボディソープで大丈夫。より良くなどとは考えず、まずは家にあるもので今晩からさっそく実践して下さい。
<塗り薬/飲み薬>
③塗り薬
傷の塗り薬はたいてい抗生物質配合のワセリン軟膏が使われます。「軟膏が合ってなくて治りが悪い」とお考えの方も多いですが、軟膏だけ変えたからといってそれまで治らなかった傷が治るということは決してないと考えていただいて結構です。塗り薬はあくまで補助的な治療であって傷の治癒を決定づけるものではないからです。
また傷を「乾かす」というのは実は逆効果だってご存じでした?傷の修復に必要な細胞の移動を妨げるからです。速く治すには湿潤環境、つまり適度に湿った状態に保つことが理想。そのために大切なのは抗生物質の種類ではなく基剤であるワセリンなのです。抗生物質はあくまで脇役。いろいろ考えず以前に病院で処方された、あるいは近所の薬局で普通に売っている「●●マイシン」と書いてあるワセリン基剤軟膏を使えばOKです。
付け薬といえば消毒液が傷にとって大切だと思っている人が多いです。
よく「アルコールがいいんですか?」「オキシドールがいいんですか?」と聞かれますが、
実はぜんぶダメ。傷を速く治したいなら消毒液はやめましょう。
先ほども書いたように消毒液は細胞毒でもあり、傷を治そうとする細胞の邪魔してしまいます。また刺激が強いため傷に塗れば拷問のような激痛です。さらに消毒液は長期間使うことでかぶれを起こしやすいという問題もあります。「何年ものあいだ毎日消毒を欠かさないのに傷が治らない」とおっしゃる患者さんではカブレにより皮膚がひどく赤剥けしている方がほとんどで、洗っていないため不潔で酷い臭いが漂っていることもしばしば。カブレにより状況がさらに複雑化し、こじらせた状態になているので経験を積んだ医師でなければ問題を正確に把握出来ません。患者さんは傷に良いはずの消毒液が問題を起こしているとは想像もできず、バイ菌によって化膿しているためと信じきっています。そこでますます熱心に消毒することになり、自身でこの状況から抜け出すのが困難になっているのです。
傷を速く治すためにはとにかくぬるま湯と石鹸が一番。ウーンドヒーリングの考えでは清潔を保つためには殺菌をするのではなく菌を物理的に洗い流すのが正しい。それ以上に傷をキレイにする方法はないからです。
傷の外用治療で重要なのは、消毒はしない。軟膏はその辺の薬局で買えるものでOK。このふたつを頭にいれておきましょう。
④飲み薬
陥入爪の内服療法で大切なのは、抗生物質よりも消炎鎮痛剤です。有名な『ロキソニン』(ロキソプロフェン)は当院でもよく処方しますし薬局でも買えます。局所の赤み、腫れ、痛みを抑える強力な抗炎症作用があります。よく「ロキソニンは痛み止めですよね?我慢できれば飲まなくて大丈夫ですよね?」と言われますが、これは半分間違い。なぜなら、傷に対して消炎鎮痛剤を使う目的は痛み止めだけでなく、むくみや腫れを抑えること。傷の安静に繋がり、結果として治療を早めることができます。これもウーンドヒーリングの考え方に一致します。飲み薬は抗生物質より消炎鎮痛剤が主役ということを覚えておきましょう。
※(注)ただし市販薬を使用される際は、用法・容量を守って正しくお使いください。
ここまでご紹介した①~④を試しても改善しなければ早めに医療機関を受診しましょう。
それでも何かしら試してみしたい場合は、ちょっと難しいかもしれませんが最後の手段として以下をご紹介します。
<テーピング/コットンパッキング/市販矯正器具>
⑤テーピング
爪の脇の皮膚を伸縮性テープで引っ張りって爪の刺激を和らげる方法です。いくつか方法がありますが当院でお勧めしているのはアンカーテーピング法です。軟膏や汗が付いているとすぐ剥がれるので貼る前に消毒用エタノールで皮膚(傷の無いところ)を拭きます。25mm幅のテーピングテープを用意し、コレを10mmと10cmの長さに切ります。
10mmのテープを爪の脇の皮膚に貼り、指で軽く押さえて体温で馴染ませます。
次に10cmテープの端を最初のテープに重ねて貼り、同様に馴染ませます。長いテープを軽く引っ張りながら指の付け根に向かってらせん状に巻き上げるように貼ります。
テープを貼るだけでは効果は無く、軽く引っ張って貼るのがポイント。テープが伸縮する時に皮膚が引っ張られて爪と皮膚の間にわずかな隙間ができます。この隙間が傷の安静に役立ち痛みを和らげ傷の治りを速めます。
テーピングは歩いていると剥がれてくるので日中何度か張り替えが必要です。テーピングと軟膏は同時併用が難しいので日中はテーピング、夜は軟膏と使い分けるのがオススメです。
⑥コットンパッキング
爪と皮膚の間に柔らかい綿を詰めることで爪の刺激を和らげる方法です。お手持ちの化粧用コットンをふたつに割り、フワフワなところをピンセットで引き出すと柔らかい繊維が取り出せます。それを爪と皮膚とが当たっているところ、その隙間に繊維をピンセットで優しく少しづつ入れていきます。徐々に隙間が大きくなり爪と皮膚の間の距離を稼ぐことができます。直接、爪の刺激を緩和できるほか、浸出液が多い時はそれを外に引きだして傷の治りを速めるドレナージ効果もあります。
コットンが不潔になりやすいので最低でも1日1回は取り換えが必要。炎症の初期であればとても効果的ですが、慣れないと難しいかも知れません。炎症が酷くなるとコットンを詰めること自体が難しくなります。それが病院受診のタイミングとも言えるでしょう。
⑦市販矯正器具
病院に行く前にダメ元でもいいから市販器具を試してみたいという患者さんのニーズは通販サイト上に巨大な市場を形成するほど切実です。患者さんの中には診察の際に様々な市販矯正器具をお持ちになり「こんなものを試したが全くだめだった」「効果が無く期待外れだった」と不満を漏らす方もたくさんいらっしゃいます。私自身も職業的興味からこの手の商品を多数買い集めて片っ端から試しましたが、ほとんどは全く効果が無いか不十分なものばかり。中には拷問器具のような爪を剥がす危険な商品もあります。巻き爪矯正はじっくり時間をかけて形を整えなければならないですが、器具の開発者に経験と理解が不足しているためです。
そんななかで唯一勧められるのはフットケア用品で有名なDr. Scholl(ドクター・ショール)の『巻き爪用クリップ』です。簡単に付けられるし効果も高いので実は当院でも採用しています。ただ、この商品にも一つ問題が。それは爪が薄く、変形の軽い人しかつけられないこと。「爪を選ぶ器具」ですが爪が薄く変形の軽い方は試す価値があると思います。
騙しだまし痛みを隠し続けるか。積極的に痛みを取り除くか。
ここまで自宅でできるセルフケアについてご紹介させていただきましたが、これらはあくまで補助的な治療に過ぎず、症状の改善や悪化を防ぐ役にたっても軽症のものを除いて解決にはなりません。特に肉芽ができているようなケースでは辛い時期が長引くだけで、結局は爪専門病院を受診した方が早いし楽だということになります。
それでも「嫌だな」「不安だな」と思っている方にこそ、当クリニックを受診していただきたいと思います。陥入爪で日々辛い思いをされている方が、痛みに耐えかねて受診を決意され、数多くの医療機関から当院を選んでいただいたからにはいかに速く確実に痛みを取り除いてあげられるか、そのスピード感と確実性こそが一番大切だと考えています。私たちが患者さまと辛さと向き合う際の基本スタンスでもあります。
実際に来院された方からは「こんなにすぐ痛みが取れるなら、もっと早く来ればよかった」という喜びの声もたくさんいただいています。受診したからと言って必ずしも医師の勧める治療を受ける義務はありません。治療を受けるかどうかを決めるのはあくまでも患者さんご自身です。NOというのに医師に気を遣う必要は全くありません。まずは診察を受け、状態を評価してもらい、治療法の説明をじっくり聞いて、できればいくつか質問をしていただいて、ご納得いただいたらその上で治療を依頼していただけたらと思います。長年陥入爪に悩む方、「そこまで言うなら相談だけでもしてみようかな」くらいの気軽な気持ちでまずは受診をご検討下さい。
【記事監修・執筆】
医師 医学博士 院長 野田 弘二郎
- 日本形成外科学会専門医
- 皮膚腫瘍外科指導専門医
- プロネイリスト
- ミラドライ公式認定医
- オールアバウト公認 肌と爪の健康ガイド
- パリ第7大学ドゥニ・ディドロ微少外科手術ディプロマ取得
- 日本形成外科学会、国際形成外科学会、日本美容外科学会、日本皮膚外科学会、日本美容医療協会会員
<詳しいプロフィールはこちら>
お電話でのご予約・お問い合わせ
電話なら当日予約可能。突然の痛みや手術希望にも可能な限り対応いたします。
5日以内で来院希望の方は電話でお申し込み下さい。
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ピアス穴閉鎖手術のお話(続編)ピアス穴がクサイ!使ってないピアス穴はなんで臭うの?ピアス穴閉鎖手術のお話(続編)
ピアス穴を塞ぎたいと来院される患者さんの理由として多いのが「ピアス穴の場所が気に入らない」「仕事に差し支える」などがあるというのは前編でもお伝えしましたが、最近増えている理由が「ピアス穴がクサイ」からというもの。今回はピアス穴閉鎖術のお話・続編ではの前編、後編に続いて「なぜピアス穴がクサイの?」について説明します。
さて、永遠の5才のあの人が問います、
ピアスが似合う素敵な大人の皆さん、何故ピアス穴がクサイのでしょうか?
「気のせいだから?」
あの、ぼーっと生きてらっしゃいませんか?
ピアス穴がクサイのは、ピアス穴に垢が溜まっているから!
説明しましょう。後編でも書きましたがピアスのトンネルの壁は皮膚で裏打ちされています。普通の皮膚と同じで表面には角質で覆われ、古い角質は垢となって皮膚から剥がれ落ちます。皮膚の場合はお風呂で清潔にしていれば問題ないのですが、使ってないピアス穴はトンネルの中に垢がたまった状態になりがちです。垢が長く放置されると酸化して酷い臭いを発するようになります。そうすると耳たぶを触れた指先にこれが付着して嗅ぐと酷い臭いがするというわけです。例えばこのブログ「【ガチ】ピアスの穴がクサすぎて同僚を殺しかけてしまったので1カ月そうじした結果 …」のように・・・・
なお、ピアス穴がクサイ理由として皮脂汚れが原因と書いてあるブログもありますが医学的には正しくありません。なぜならピアス穴のトンネルを覆う上皮には皮脂を分泌する皮脂腺や毛穴といった皮膚付属器が存在しないからです。垢+周りの皮膚からの皮脂汚れくらいはあるかもしれませんが。
でもピアスの穴の中を洗うって難しいですよね?じゃ、クサイピアス穴はどうしたらいいの?簡単です。いつもピアスをしていれば良いのです!ピアスを入れる時に垢が押し出されるので溜まりにくくはなります。でもピアス穴を5個も6個も開けていても結局使っていない穴が沢山あるという方は塞ぐ事を考えても良いと思います。他人に耳たぶの臭いを嗅がれるということは日常生活ではあまり無いのですが、それだけに万一特殊な状況で臭ってしまったら?大切な人を幻滅させてしまうかも知れません・・・。多すぎるピアス穴を整理したい、キレイに塞ぎたいとお考えの方、ピアス穴閉鎖手術のお話前編と後編お読みいただいた上で是非当院へ御連絡下さい。
さて、実はピアスをしていないのに耳タブがクサイ人がいます。理由はいくつかありますが一つは実は耳の穴の付近や耳タブの裏側は皮脂が多く分泌される部分でもあり汚れが溜まりということ。お風呂で洗う時におろそかになりがちですが耳タブですが、毎日小まめに洗いましょう。二つ目の理由として粉瘤というおできがあります。耳たぶの付け根部分の裏側、耳介側頭溝と呼ばれる場所には粉瘤ができやすくこれが耳たぶの臭いの原因となっていることもあります。繰り返し化膿したり皮膚の奥にコロコロおできを触れる場合は病院で相談しましょう。三つ目の理由として、耳瘻孔という先天的な病気の方があります。耳前瘻孔、先天性耳瘻孔などとも呼ばれます。この場合、瘻孔、つまりトンネルの中に垢が溜まりやすくクサイことがあります。先天性耳瘻孔についてはこちらの記事をご覧下さい。
【記事監修・執筆】
医師 医学博士 院長 野田 弘二郎
- 日本形成外科学会専門医
- 皮膚腫瘍外科指導専門医
- プロネイリスト
- ミラドライ公式認定医
- オールアバウト公認 肌と爪の健康ガイド
- パリ第7大学ドゥニ・ディドロ微少外科手術ディプロマ取得
- 日本形成外科学会、国際形成外科学会、日本美容外科学会、日本皮膚外科学会、日本美容医療協会会員
<詳しいプロフィールはこちら>
本当は痛くない!巻き爪治療の真実を教えます。
こんにちは。
肌爪先生こと、神楽坂肌と爪のクリニック院長の野田です。
当院に来院される患者様の多くが
「巻き爪の治療って痛そう…」
「治療の痛みが怖くて受診を迷っていた…」
など、治療の痛みに対して強い不安感をお持ちで、これにより受診が先延ばしになって悪化してしまっているケースも多く見受けられます。
巻き爪は痛みを放っておけば悪化してしまうことが多いので、正しい知識をもつことがとても大切です。
巻き爪ワイヤー矯正治療を正しく理解していただくことで、少しでも受診の不安を取り除けたらと考え、今回のブログでは矯正治療の実際をテーマとして取り上げました。数分もあれば読める内容となっております。ぜひ最後までお付き合いいただけますと幸いです。
【目次】
そもそも巻き爪って、なにが原因でなってしまうの?
私たちは爪のスペシャリストとして、巻き爪で困っている人たちの一番の味方でありたい。
なぜ、ワイヤー矯正は「秒」で痛みがとれるの?
クリニックにはいつ相談に行けばいい?そして、どれくらいで治りますか?
そもそも巻き爪って、なにが原因でなってしまうの?
原因はたくさんありますが、当院にいらっしゃる患者様の約7割は、
パンプスやストッキングの圧迫によるもの。
パンプスはイメージできるとしてもストッキングは意外に思えるかもしれません。実は爪は伸び縮みする素材にとても弱く、持続的に圧迫されることで変形し巻いてきてしまうのです。ストッキングやフットカバー(パンプス用ソックス)などは足より小さく作られていて履く時にギュッと引っ張って履くことで足にフィットするわけですが、このようなタイプのものは、履いている間中ずっと元の形にもどろうとしてじわじわ爪をしめつけて逆矯正、つまり巻爪をつくっていることになるのです。実際ストッキングやフットカバーを穿く時だけ痛みを感じる方もいらっしゃるでしょう。これらは靴による直接的な圧迫よりむしろ大きな要因とも言えます。
私たちは爪のスペシャリストとして、
巻き爪で困っている人たちの一番の味方でありたい。
■予防する方法ってあるの?
自分に合った靴を履く、つま先にゆとりのある履物を選ぶなどがあります。あとはヒールの高さ。ヒールが高いと履いているうちにどんどん前のほうに詰まっていってしまい、指先がつま先の狭いスペースに押し込まれてしまうので想像以上の圧迫になってしまうのです。
経験上、履物が原因で巻爪になっているケースの多くは、履物を選ぶ女性の側の問題というより、職場において女性の靴はパンプスやストッキングがふさわしい、フォーマルであるといった社会の固定観念のほうが問題であると思っています。相談を受ける際には痛みを我慢しながら仕事をせざるを得ない女性の置かれた社会背景も理解しなくてはならないと考えています。
医師は患者様お一人お一人が抱える事情にできるかぎり寄り添い、経験と知識からベストな方法を提案し解決を目指すべきです。履物に関して言えば社会の固定観念は簡単には払拭出来ません。
しかし単にパンプスを禁止するのではなく、より取り組みやすい方法。例えば・・・
・通勤とオフォスで靴を履き変える
・ビジネス用と週末用を靴を履き分ける
・休足日をつくる
・季節によってはオープントゥを選ぶ
・インソールの滑り止めを使う
など、できることからやってみましょう。
私たち医師は常に患者さんの側に立つ味方でありたいと願っています。
■なぜ、あんなに痛いの?
指先というのは知覚神経が集中しており、非常に繊細な感覚を持っています。つまりそれは、怪我や圧迫などにより痛みを強く感じるということでもあります。また、巻き爪の多くは炎症(症状:赤み・痛み・腫れなど)を伴っています。炎症だけで痛いのに、それが感度の鋭い指先であったなら、なおさら痛いよね…ということです。この炎症がなくならないと痛みはとれないのですが、簡単では無いことも多くあります。
■どうして治療をしても痛い…ということが起こるの?
巻き爪は皮膚科や整形外科・形成外科で治療が受けられます。
ただし、巻き爪への取り組み方は医師によって大きく異なります。受診先が巻き爪治療にを得意として積極的に取り組んでいる先生とは限らないのです。
「とりあえずこれつけといて…軟膏だけで終わった」
「爪がどんな状態か良く診てもくれなかった」
という話もよく聞きます。治療を受けても一向に痛みが取れない、時間がかかりすぎると感じた場合は別の医療機関の受診も検討すべきです。できればホームページなどで巻き爪治療について詳しく解説しているような、巻き爪治療に積極的なクリニックを選ぶと良いでしょう。
■巻き爪の治療は医療行為です。
あと、意外に知られていないのは、巻き爪の治療は医療行為ということ。
「病気を診断し治療する行為」を行うには医師の資格が必要です。つまり「巻き爪と診断し治療する」のは医療機関でしか許されていないのです。ネイルサロンやフットケアサロンで「巻き爪治療」「ドイツの資格があります」なんて広告をよく目にしませんか?医師は勤務していません。それなのに施術を行っている。医師法違反は重罪ですが、法的問題はおいておいたとしても、専門家ではない人がやる施術は場合によっては健康被害のリスクがあります。健康被害の訴えにより保健所の指導が入って突然閉店して治療が続けられなくなり困ってしまうこともあるかもしれません。
巻き爪治療を行うサロンがたくさんあるのはネイルサロンの乱立、競争の激化という背景もありますが、医療側が提供するサービスに満足していない方が沢山いらっしゃるため、そこニーズがあるからだと思います。これに関しては医療提供する側も大いに反省すべきだと思います。またこうしたサロンに勤務している方で、ご自身の仕事の法的根拠に不安を感じたらお近くの保健所で相談すれば明確になるでしょう。コンプライアンスが求められるのはネイルサロンであっても例外ではありません。
■巻き爪の診察は慎重に行う必要があります。
診察の際に医師が「これ痛いですか?」と不用意に患部に触れて飛び上がるほど痛い思いをしてトラウマになったというようなお話も聞きます。このような診察の仕方はNG。それでなくても触れてほしくないのに、患者様からすればたまったものではありませんよね。
私たちは診察するときには、視て観察し直接患部に触れずに口頭で「こういう状況で痛みはありますか?」と確認あるいは指差しで「ここは痛いですか?」と確認します。どうしても触れなくてはいけない場合でも、予告した上で最小限、痛くないようにできるだけゆっくりソフトに触れる、あるいは患者様自身で触れていただくようにしています。治療の際にも痛みに最大限配慮して行っています。
■巻き爪の専門家に相談するのがベスト。
巻き爪治療には、さまざまな方法があります。状態や御希望によって生活指導やテーピング、お薬だけにとどめることもあるし、ワイヤーだけでなく巻き爪クリップのような簡単な矯正法をお勧めすることもあります。
医学的な必要があれば患者さんの同意を得た上で麻酔をして爪を切ることもあるし、根治的な手術を選択することもあります。このように複数の治療選択肢から最適な治療法を提案し御希望の方法を選んでいただけるのは、私たちが巻き爪を専門としてやっているからこそ。
積極的に巻き爪治療をに取り組んでいない医療機関の場合は選択肢は狭まりますし患者さんの希望と違っていたり、効果が不十分であることもあるかもしれません。そうしたことが治療を受けた後も痛みがつづいてしまうことがある一つの原因です。
<<当院の巻き爪矯正は速やかに痛みがとれます>>
なぜ、ワイヤー矯正は「秒」で痛みがとれるの?
施術した直後から遅くても数日以内に痛みは激減また消失します。なぜか?
そもそも巻き爪というのは、巻いているからすぐ痛いという訳ではありません。
「爪が強く当たって皮膚が傷がつく」ことをきっかけに突然強い痛みが出始めるのです。
ほんの1ミリの爪の当たり方違いが無痛を激痛に変えることがあります。そこが巻き爪の厄介なところでもあります。朝出掛けるときは気になる程度だったのに、夕方激痛ということも決して珍しい話ではありません。靴による圧迫や足のむくみなどで爪と皮膚との相対的位置関係がわずかに変化することが強い痛みに繋がる。ワイヤー矯正ではこれを逆手に取ってワイヤーで爪をほんのわずか、ミリ単位で動かすことで痛みが激減またはゼロにする。それこそが、「秒」で痛みがとれる理由です。
■施術方法はさまざまですが、目的はおなじです。
巻き爪で用いられる施術のすべては、この『爪と皮膚との位置関係の改善』を目的としています。コットンパッキング法という爪と皮膚との隙間に綿を詰める方法、テーピングで皮膚を引っ張るのもおなじ理屈です。飲み薬や軟膏も腫れを退かせて爪と皮膚の距離を稼ぎ、爪の皮膚への刺激を緩和することで局所の安静を図るのが目的です。ただこれらの方法はあくまでも補助的治療であって単独では十分な効果は期待はできません。
ワイヤー矯正はより積極的に爪に働きかけることで、確実かつ「秒」で効果を実感できるのが大きなメリットです。施術自体も痛みはありませんし手術のように術後に痛むこともありません。しいて言うなら違和感がある程度。とはいえ1日もすればなくなるのでご安心ください。
■えっ?もう終わったの?と驚かれる患者様ばかりです!
当院で施術を受けた方の多くは
「もう終わったんですか?」
「まったく痛くなかった」
「こんなにすぐ良くなるなら、もっと早くこのクリニックに来たかった」
と喜ばれます。私たちが巻き爪を専門にして良かったと嬉しくなる瞬間です。
ワイヤー矯正をされた方は、あまりにすぐに痛みがなくなるので「このワイヤーって痛み止めの成分が入っているんですか?」と聞く人もいるくらいです。巻き爪ワイヤー矯正を受けようかとで悩む方はたくさんいます。そんな方たちに「本当に痛くないからビクビクせず安心して受診して下さい」と言ってあげたいです。
クリニックにはいつ相談に行けばいい?そして、どれくらいで治りますか?
痛みを感じたら無理せず医師への相談を検討する、が正しいです。
爪が巻いているから即治療ということではありません。爪が一周するほど巻いていても痛みは全くないという患者様は珍しくありませんし、逆に爪がほとんど巻いていなくても激しく痛む患者様もいます。巻き爪の医学的分類には変形の程度を指標とする考えもありますが、痛みの有無で治療の必要性を判断しその除去を最優先するというのが私達の考えです。
■矯正期間は短いと戻りやすく、長ければ通院が続かなくなってしまうため、
当院では6ヶ月としています。もちろん希望により期間の変更も可能です。
巻き爪ワイヤー矯正により痛みがすぐに取れるのは説明したとおりですが、痛みが無くなったからといってすぐにワイヤーを外すと短期間で戻ってしまいます。かといって年単位だと通院が続かない患者さんも多くいらっしゃいます。そこで当院では通常半年を一つの区切りとして、そこで一旦ワイヤーを外します。その後はまた巻いてきた方だけ再開を検討していただきます。
治療するかどうかの判断の材料として変形の程度はあまり優先していません。では、なにを優先しているのか。それは、患者様が痛くて困ってらっしゃるかどうか。誤解があっては困りますが決して「痛くない人は治療しない」ということではありませんよ。
例えば痛みはまったくなくで「そのうち痛くなるって聞いて来ました」という方の場合。一回も痛みを感じたことがないのであれば、適切な爪切りの方法や履物を選ぶことでそのあともずっと痛くなることなく生活できる可能性は高いのです。その場合は
「こうすると痛くなく生活できることが多いので試してみては?」
「予防だけで様子を見るのもひとつの選択肢ですよ」
と生活指導のみを行うケースも多々あります。
もちろん患者様からの希望があればすぐに治療をはじめられますが、通院も必要ですし、矯正治療は保険が使えないので費用も決して安いわけではありませんからね。放っておけば悪化するなどと脅してして治療を開始といったことは決していたしません。患者様のおひとりおひとりの病状とニーズを把握したうえで、その時点でベストな方法を提案する。爪のプロフェッショナルである当院のポリシーです。
「痛くされるのが嫌だから病院に行くのがこわい」「どこに相談していいのかわからない」「色んなところを試したけど、まったく治らない」…そんなお悩みを抱えている方がいたら、当院へお越しください。みなさまが抱えてらっしゃる不安・悩みも、秒で解決いたします!
【記事監修・執筆】
医師 医学博士 院長 野田 弘二郎
- 日本形成外科学会専門医
- 皮膚腫瘍外科指導専門医
- プロネイリスト
- ミラドライ公式認定医
- オールアバウト公認 肌と爪の健康ガイド
- パリ第7大学ドゥニ・ディドロ微少外科手術ディプロマ取得
- 日本形成外科学会、国際形成外科学会、日本美容外科学会、日本皮膚外科学会、日本美容医療協会会員
<詳しいプロフィールはこちら>
ピアス穴閉鎖手術のお話(後編)ピアスホールの閉じ方の実際
こんにちは!ピアストラブルに強い神楽坂肌と爪のクリニックの院長野田弘二郎です。
前編ではピアスを閉じるってどういうことかを説明しました。今回はピアスを閉じる手術がどのように行われるかを説明します。
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ピアスによる耳切れ「耳垂裂」がこんなにきれいになります!(画像あり)
ピアス穴って耳の表と裏に穴があって、その間はトンネルになっていますよね?トンネルの部分にピアスの軸が収まって、耳たぶの表側にピアスヘッド、裏側にキャッチがきます。そのトンネルの壁って何で出来てるかご存じですか?そう、皮膚なんです。皮膚で裏打ちされたトンネルが耳の表と裏の間で繋がっているのです。
もちろんもともとそこには皮膚はなくて脂肪や血管などの皮下組織があったのですが、ピアッサーで孔をあけて、1〜2ヶ月間ファーストピアスをつけている間に耳たぶの表と裏の皮膚から新しい皮膚が伸びていって、ピアス穴中央辺りで繋がります。それでトンネルの壁が完全に皮膚で覆われた状態になってピアス穴が出来るのです。そのトンネルのできる期間は耳たぶの厚さによっても変わりますがそれに1〜2ヶ月くらいです。その後はセカンドピアスに入れ替えることが出来ます。トンネルの壁最初は薄いのですが、2年ほどかけてだんだん厚くしっかりしてくるので普通は塞がることはありません。
つまりピアス孔は単なるトンネルではなく、皮膚の内張のあるトンネルということになります。そしてピアス穴を閉じる手術は単に穴を閉じるのではなく、このトンネルの壁にあたる皮膚も取り除く手術になります。皮膚の壁がなくなれば脂肪だけなのであっという間に塞がってしまいます。表と裏の穴だけとじればいいんじゃない?と思う方もいるでしょう。そういう手術をしてしまうと皮下に皮膚のトンネルが取り残された状態になります。取り残された皮膚は閉ざされた中で皮膚としての活動を続けます。・・・つまり垢が出るということです。垢は皮膚の中でドンドン溜まり続けやがて大きなしこりとなり、破裂することもあります。
また美容外科で相談されたという患者さんからそういうトンデモナイ手術のことを聞いたことがあります。表だけなら10万円、裏も塞ぐなら15万円と言われたそうです。表だけ、裏だけ塞ぐといった中途半端なことをされると将来トラブルを起こすでしょう。
さて、細いトンネルを最小限のキズで取り出すのはテクニックと経験が必要です。慣れない外科医がやると切開が無駄に大きくなって傷が目立ったりトンネルの一部を取り残して先ほどと同じトラブルを起こしてしまいます。実際の手術の手順を説明します。
1.ペンで切開線の印を描く:穴だけでなく周辺の凹みも含めてできるだけ小さくデザインします
2.ピアス穴の周辺に局所麻酔注射をする:ここだけ少し痛いです
3.表と裏で穴に沿って皮膚を切る:痛みは全く感じません
4.トンネル状のピアス穴を引き抜く:表と裏でピアストンネンルと脂肪の間を丁寧に剥がして貫通させて、表の穴、裏の穴とそれを繋ぐトンネルをひとかたまりとして引き抜きます
5.止血をする:高周波メスで丁寧に出血を止めます。
6.表と裏で皮膚を縫合する:穴の大きさに合わせて1〜3針ほど縫います。もちろん裏側も
7.5-10日後に抜糸をする:痛みはありませんので麻酔はしません
手術の後は小さなピンク色の点として半年ほど見えていますが、1年過ぎるも分からなくなります。
時間にして一カ所5〜10分くらいです。
もっと知りたい方は続編↓↓もどうぞ!
院長と副院長が執筆した巻き爪矯正専門書が発売されました!
今年で開院13年目を迎えた肌と爪のクリニックから、待望の巻き爪ワイヤー矯正専門書「最強巻き爪矯正テクニック」が発売となりました!本書は患者さん向けではなく、これから巻き爪治療に取り組もうとする医師用に書かれたプロ向けの専門書になります。
爪を専門に扱う医療機関が皆無に等しかった開院当初、クリニック名を頼りに巻き爪に悩む患者さんが少しずつ来院され、やがてクチコミで支持が広がってついには40,000件を超える巻き爪矯正を施術させていただきました。
痛みが取れて喜んでいただける時が、我々にとっても最も嬉しい瞬間です!当院のオニックスワイヤーは矯正開始直後から5日以内に痛みが取れる確率がなんと99%以上!毎日の診療が私たちの喜びそのものです。この喜びを全国の患者さんに届けたい。私たちはそんな思いで本書を執筆しました。
オニックスワイヤー™による切らない巻き爪矯正
巻き爪矯正とは変形した爪に少しずつ力を加えながら形を整えていく、歯の矯正のような方法です。
メスを使うことなく、治療の痛みを我慢していただくことも無く、巻き爪の痛みを取り除き変形を治療することができます。代表的な矯正法として超弾性ワイヤー法、VHO法、クリップ法、BSブレイス法(BSスパンゲ)などがあります。もっとも広く普及しているのは超弾性ワイヤー(マチワイヤー法、オニックスワイヤー™)を用いた矯正法です。
その特徴は
- すぐに痛みが取れます。
- 矯正力が強力なので高度な巻き爪変形に分厚い爪にも対応出来ます。
- 医師が行うため化膿や水虫などの合併症にもワンストップで対応可能です。
- 親指以外の矯正も可能(医療機関によって異なります)
治療の流れ
- 爪に精密ドリルで穴開け
痛み無くわずか数秒で完了。もちろん麻酔も不要。
- オニックスワイヤー™を穴に通して短くカット
ワイヤーの端が刺さったり、飛び出して靴下に引っかかることはありません。
- ワイヤーを固定
接着剤を塗りLEDライトをあてると10秒程で完全硬化。すぐに靴下がはけます。
症例1
- 深爪の症例。爪が極端に短く、また変形が強いため両わきは皮膚にめり込みワイヤーを入れる場所がほぼないが、痛みが強く治療を急ぐケース。
- ギリギリの場所にワイヤー2本装着することができたため、治療当日に痛みが取れた。
- 後日爪が伸びてから余裕を持って矯正を継続し、爪は良好な形となった。
症例2
- 右足親指爪の内側に強い変形があり、角が食い込んで出血している状態。早く変形を矯正し痛みを取りたいが、変形部分で爪が厚いため矯正治療に抵抗することが予想される症例
- 爪をべべリング加工後にワイヤーを装着。装着直後より爪が開き始めすぐに痛み消失し、矯正終了後は爪は完全に平らになっている。
症例3
- 左足親指の爪に全体に強い変形があり、爪が分厚い症例。このままでは矯正は困難と判断し、爪をシンニング加工してから矯正開始した。尚、このケースでは水虫の検査で菌は見つからなかった。
- 痛みは矯正開始直後から無くなり、最終的には爪は変形前の姿を取り戻している。
症例4
- 複数の病院で相談したが治療を断られたり、爪を抜くしかないと説明された重症のケース。
- オニックスワイヤー™による矯正治療を行い、半年後には爪の形は正常化した。
症例2
- 左足の人差し指のケース。他院で相談したが親指以外は治療できないと説明されたケース。
- オニックスワイヤー™による矯正治療を行い、2ヶ月で爪の形は正常化した。
症例3
- 手の親指爪の高度な変形によりボタンが留められないほど強い痛みがあり、他の病院で爪を抜くしかないと言われたケース
- オニックスワイヤー™矯正により痛みはすぐに消退し、2ヶ月で爪の形は正常化した。
再発することがありますか?
あります。矯正を受けた患者様の概ね2-3割が再矯正を希望されて再診されます。再発を防ぐために矯正後に十分な対策が必要ですので矯正終了時に詳しく説明いたします。
矯正期間はどのくらい必要ですか?
標準的な治療期間は6ヶ月間です。矯正期間は病院によって異なり、1か月から2年程度です。矯正期間は短いと戻りやすく、長いと通院が続かなくなってしまうためオニックスワイヤーでは通常6ヶ月としています。もちろん希望により期間を変更することも可能です。
ワイヤーを自分で外すことが出来ますか?
はい。ワイヤーは爪の穴に通してあるだけなので、固定ジェルをとればワイヤーを引き抜くだけで外せます。ワイヤーは非常に硬い素材なので爪切りなどを使用した場合は刃が欠けて使えなくなってしまうのでご注意下さい。
ワイヤーが外れてしまうことがありますか?
あります。足を踏まれたり、爪がもろかったりすることではずれることがあり、全体の5%程度です。
ワイヤーが外れた場合自分でつけることができますか?
いいえ、ワイヤーはつけ外しは出来ません。矯正中にワイヤーが外れてしまった場合には来院していただく必要がございます。ご自身でつけ外しの出来るクリップタイプの矯正器具もあり、通院の難しい方に好評いただいております。
足の親指以外も矯正出来ますか?
受診する医療機関によって異なります。受診先にの医療機関に直接お問い合わせ下さい。
巻き爪ワイヤー矯正 母趾以外も治療できます
巻き爪による痛みで一番多い指は、足の親指ですが、親指以外も痛くなることがあります。
ピアス穴閉鎖手術のお話(前編)就職決まった!さて、ピアスホールはどうやって閉じるの?
最近ピアスホールを塞ぎたいというご相談が増えています。神楽坂肌と爪のクリニックは耳垂裂などのピアストラブルや拡張ピアス閉鎖などををたくさん手がけてきましたので、「ピアス関係に強い病院=肌と爪のクリニック」ということでネット検索で見つけやすいのかもしれません。ピアス穴の閉鎖というのは、正常なピアス穴を塞ぎたいということですからピアストラブルということではありません。では何故皆さん塞ぎたいのか、理由は皆さんそれぞれですが、多いのは・・・
男性だと「就職が決まった」、「就職試験を受ける」、「職場で差し支える」、などの社会的事情がほとんど。日本では男性ピアスはチャラいイメージがあるらしく、堅い職場で向けられる目は厳しいようです。
男性でよくあるピアス穴。この方は左耳2ヵ所
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〜拡張ピアス閉鎖について(たぶん)世界一詳しく書かれたブログ〜
幸い上司に「閉じてこい!」と言われたみたいなパワハラ案件は聞かないですが、逆に「後輩に示しがつかないから塞きたい」という方がお一人だけいらっしゃいました。
「子供が大きくなった」という方もいらっしゃいました。若気の至りで自分は開けてしまったけど、今は後悔しているので子供にそいういう思いをさせたくないのだとか。「あるいは父の威厳が失われる」とおっしゃる方も。うん、わかる。子供の力は大きいですから。以上男性に多い理由。
女性だと「ピアス穴の場所がイメージとなんか違う」、「左右で位置がズレた」、「上過ぎた/端っこ過ぎた」、「穴が斜めってピアスがおじぎする/左右のピアスがあべこべの方を向く」、「並んだピアス穴が同士が近すぎてピアスがつけられない/当たってしまう」など穴の開け方の問題がほとんど。自分で開けたり、友達などピアスに十分な知識の無い人が開けた事による問題が多いようです。
ドンキで1000円ピアッサー買って友達に開けてもらったら場所が変になっちゃってケンカになったという患者さんもいらっしゃいました。ピアスの位置も変だし、お友達まで失ってしまい踏んだり蹴ったり・・・。雑貨屋のピアッサーはいろいろトラブルも多いですから病院で開ける方が安心ですよ。それもピアスに慣れた病院がお勧め(笑)で、その方は当院の手術で一度閉じて、当院で開け直されました。その後、仲直りは出来たでしょうか?そこも気になります。
「ピアス穴が多くなりすぎて気味が悪いと言われた」、「減らしてスッキリさせたい」というのは男性、女性問わずありますね。たくさん開けて、気がついたら穴だらけになっちゃったみたいな。隣同士繋がっちゃったりとか。穴がものすごく多いと難しくなりますが、繋がっている場合は費用も高くなりますが可能な限り自然になるよう対応させていただきます。
6ヵ所あるピアス穴のうち、下2ヵ所と閉じた例。青いのは縫合の糸です。
ほかに「金アレでかぶれる/黒ずむ」など、体に合わず「今後ピアスはしないので穴も塞いでしまいたい」という方も。金アレは治せませんからね。現代の医療では金属に触れないしかやりようがないのです。チタンとかプラチナとかアレルギー起こしにくい材質もありますが、敏感な方はそれでもダメなことも多いのです。もちろんアレルギーがあっても穴は綺麗閉じれます。
このように様々の事情でピアス穴を塞ぎたくなった方が相談にいらっしゃいます。「肌と爪のクリニックはピアストラブルをたくさん扱っているのできっと上手なんじゃ無いかと思って」と嬉しいお言葉も。耳垂裂手術も多いですがピアス穴閉鎖もたくさんやっておりますよ!滅多にやらない医者より慣れてて当然です。
手術料は麻酔込みで1カ所4.4万円、2カ所目以降は1カ所3.3万円(2023年1月10日現在ピアス穴閉鎖のモニター募集はおこなっておりません)です。
上記はあくまでも正常な普通のピアス穴を塞ぐ料金です。ピアス穴が耳たぶの端ギリギリにあったり穴が長くなって耳たぶ切れかかっている、二つの穴が繋がっている、たくさん穴があって耳たぶがボロボロになっている等の場合は手術内容も変わってきますので同じ料金ではありません。正確な料金は医師の診察が必要ですのでご理解下さい。
当院にいらっしゃる前に美容外科を受診され、両耳で20万と言われてあきらめたという患者さんがいらっしゃいました。払えないので帰ろうとすると20才台なのに女性カウンセラーから顔のシワ取りを薦められて腹立たしかったそうです。ただでは帰さないのですね・・・。美容外科こわい・・・
どうせ閉じるなら目立たず、お安く綺麗に閉じたいという気持ちは当たり前ですね。では、具体的にはどうやってピアス穴を閉じる時のか?長くなってしまったのでこのあとは後編で詳しくお教えします。
本当にラクに爪が切れる? “電動爪切り”実際に試してみました|『MONOQLO』がテスト
院長が監修、実験にも参加した電動爪切りのテスト記事がネットに公開されています。
https://the360.life/U1301.doit?id=12494