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神楽坂 肌と爪のクリニック

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神楽坂「肌爪日記」クリニックブログ

【大後悔】ピアス失敗【リカバリーはこうやる】

神楽坂肌と爪のクリニック』の院長、野田弘二郎です。
YouTubeにて『神楽坂肌と爪のクリニック公式チャンネル』も開設しておりますので、
登録がまだという方はぜひチャンネル登録をよろしくお願いいたします。

今回は『ピアスの失敗』についてお話ししたいと思います。

ピアスを開ける時までは「よし、この位置でいいだろう」と思い込んでいても、
開けてしまったあとで不自然さに気づき、後悔する人がたくさんいます。

理由の一つは、不慣れなこと。

開ける瞬間にズレてしまうんです。

実際に、当クリニックでは「ピアスを失敗してしまったのですが、
今からなんとかなりませんか?」というご相談も多くあります。

でも、安心して下さい。失敗したとしても諦める必要はありません。

なぜなら『リカバリーの方法』があるからです。

本日はピアスの失敗とリカバリー方法について詳しくご説明します。

数分で読める記事となっております。
ぜひ最後までお読みいただき、
お友達やご家族と共有していただければ嬉しく思います。

【目次】

1.ピアッシングのリスク

2.よくある失敗

3.ピアス失敗のリカバリー方法は時期によって異なる

4.ピアス失敗のリカバリー方法

5.まとめ


1.ピアッシングのリスク

多くの方が一生に一度のピアッシング(ファーストピアス)ですが、
自分自身やお友達同士で開けたという方はとても多いです。

安くて、好きな場所に開けられて、時間もかからなければ、病院に行く手間もない。
ネット通販なら翌日に届くピアッサーを使って、ネット情報で勉強すれば大丈夫なはず。
コスパ、タイパも最高ですよね?浮いたお金でもう一つピアスも買えちゃいます。

でも、“失敗のリスク”という安くない代償を払っていることへの理解も必要です。

というのも、ピアストラブルをたくさん扱ってきた医師としての経験から言えば、

素人によるピアッシングほど、もっとも後悔の多い方法はない、ということです。

それは、高い代表を払うことになる人がたくさんいることを知っているからです。

費用も決して安くない医療機関でのピアッシング。ですが、どうでしょう?

安全を買うと考えれば、安価で懸命な投資という捉え方もできるのではないですか。
これから開ける方は、ぜひご検討ください。

ただ、残念なことに美容皮膚科やピアススタジオでプロに開けてもらったのに位置がおかしいというご相談もたまにあります。

医療機関にも常勤ではないアルバイトの医師もたくさん働いています。
たとえプロであっても、充分な経験がない人だと失敗してしまうのです。

精密なピアッシングはそれほど難しいということをご理解ください。

2.よくある失敗

ピアスで良くある失敗には次のようなものがあります。

上過ぎる
下過ぎる

【場所が下過ぎる、上過ぎる】ピアスの標準的な位置についての知識がないことが原因です。

【左右で位置がずれた】なんとなくの感覚だけで開けると、大抵左右でズレます。

【ピアスの角度が揃わず、両耳のピアスがあべこべの方向を向いてしまう】

耳タブを引っ張りながら開けると角度がズレてしまいます。

■「耳たぶの立ちあがり角度(耳介聳立角)」

耳タブの形はほとんどの人が左右非対称ですし、

耳介聳立(じかいしょうりつ)という

耳タブの立ちあがり角度が左右で違う方も多いので

これらを計算に入れないと正面から見た時に左右がキレイに揃いません。

他にも、

  • 位置が不適切なため不自然、せっかく買ったピアスがつけられない。
  • 同じ耳に二ヵ所目を開けたら距離が近すぎてピアス同士が当たってしまう。
  • 開け直しているうちに使わないピアス穴がどんどん増えてしまった。
  • 軟骨部に開けてしまった。

などがあります。

これら失敗の原因はなんといっても『不慣れなこと』と『知識不足』です。

セルフのピアッシングを勧めるわけではありませんが、私たち医師が行っているファーストピアスの開け方についてはこちらの動画をご覧下さい。

3.ピアス失敗のリカバリー方法は時期によって異なる

失敗してしまったピアス穴。できることなら、なかったことにしたいですよね?

じつは正しい方法でリカバリーすれば、失敗もほぼほぼ無かったことにできるのです。

■「ピアスホールが完成するまで」

ピアスホールが完成するまで

ところで皆さんは、ピアスホールがどのように完成するかご存じですか?

リカバリーの方法と関係することなので、ここで改めて説明します。

[STEP.01]

ピアッサーで耳タブに穴を開けると、ピアス軸の周りに脂肪が露出したキズができる。

[STEP.02]

数日経過すると、このキズを覆うために、周辺の皮膚がピアストンネルに侵入する。

[STEP.03]

この皮膚が、耳たぶの表側と裏側から同時にトンネルの壁を裏打ちするように伸びていき、やがて中央で繋がることでピアスホールというわけです。

ここまでに要する時間は、トンネルの長さ、すなわち耳タブの厚さにもよりますが、おおむね4〜8週、つまり1,2ヶ月です。

さて、失敗したピアスのリカバリーの方法ですが、リカバリーするのが、ピアスホールが作られる工程のどの時期かで異なります。

つまりピアスを開けてから、どのくらい日にちが経っているかで違ってくるのです。

・ピアスを開けて1週間以内の場合:

ピアストンネルに皮膚の侵入がはじまった頃にあたります。
この時期ならピアスを引き抜くだけで、多くの場合ほとんど跡を残さず塞がるでしょう。1年も経てばピアス跡はよく分からなくなるはずです。

・ピアスを開けて2-3週の場合:

入り口と出口から皮膚の侵入が始まり、トンネルの裏打ちが伸びてくる時期です。

ピアスを引き抜くだけでおおむね塞がりますが、耳たぶの表・裏にすり鉢状の凹みが残ります。徐々に浅くなりますが、凹みが気になる場合、手術で目立たなくすることもできます。

・ピアスを開けて4週以降の場合:

耳たぶの表側と裏側から伸びた皮膚が中央で繋がってピアスホールが完成した時期、あるいはそれ以降にあたります。
ピアスホールは皮膚で裏打ちされているので、狭くなっても完全には塞がりません。
中途半端に塞がって上皮が取り残され、将来トラブルを起こすリスクもあります。
また、上皮の新陳代謝によりピアスホールに垢が溜まるので臭いの原因にもなります。

4週以降の場合は、このあと説明するピアス閉鎖術でリカバリーすることができます。

いずれにしても大切なことは

失敗したら出来るだけ早くピアスを引き抜いてしまうことです。

なお、ここで説明した日にちはあくまでも目安であって、キズの治る速さや耳たぶの厚みなどの要因により、1週間程度前後することあります。

4.ピアス失敗のリカバリー方法

ピアスを開けて1週間以内なら、ピアスを抜けば跡はほとんど残りません。
2~3週間経過後でも抜いてしまえば、それほど目立たない状態にできます。
ただし、4週間目以降の『リカバリー方法』は手術となります。

ここで当クリニックのピアス閉鎖手術を説明します。

私たちの方法は、通常の半分程度の切開からピアスホールの皮膚を確実に処理します。
傷跡が最小限にできることと、将来の皮膚残存によるトラブルを完全に防ぐことを特徴としています。

■ピアス閉鎖手術の実際

[STEP.01]

切開予定線をマーカーで描きますが、キズを極力小さくするために最小限とします。手術後に凹みが残らないように、ピアス穴の入り口にあるすり鉢状の凹みも切り取ります。

[STEP.02]

局所麻酔薬を注射します。手術自体まったく無痛ですが、この注射の所だけは多少チクチクします。当クリニックではここで特別な処置をしますが、企業秘密なので公開できません。同業の医師のみなさんは、先ほどの切開予定線を見てお気づきかと思いますが、私たちは独自の方法で、非常に小さなキズでピアスを閉じることができます。

[STEP.03]

先ほど描いた切開予定線に沿って耳たぶの表側と裏側の皮膚をメスで切開します。ピアスホールと、その周りの脂肪の間に狭い隙間を作り、裏打ち皮膚だけを引き抜くように取りだします。表裏の穴の皮膚とその間にあるピアスホールを、ひと塊として取りだすのです。

皮膚を残せば後々トラブルになります。ここは少し難しい部分ですが、私がフランスや日本の大学病院でやっていた“微少外科手術のテクニック”がとても役立っています。

[STEP.04]

写真は取りだしたピアスピアスホールです。

背景はガーゼですが、その目の荒さからかなり拡大した写真であることが分かります。周辺を傷つけずに、ピアス穴とピアスホールだけを引きに抜いていることがお分かりいただけると思います。

[STEP.05]

ピアスホールを取りだした後を、高周波メスを使って慎重に止血をします。皮膚を1~2針縫ってキズを閉じて手術は終了です。手術時間は一箇所10分ほどです。

[STEP.06]

手術後の写真です。キズは最小限でほぼピアス穴の大きさしかないことが分かります。一週間後に抜糸。傷跡がしばらくピンク色の点として見えますが、1年も経てばピアス跡はよく分からなくなります。

なおネットを検索すると、

手術ではなくレーザーで塞ぐという方法も見つけることができます。

レーザーでピアスホールに熱損傷を加えて自然に閉じるのを待つというやり方です。手術という精密な手技を必要としない代わりに様々デメリットも見えてきます。

■「レーザーによるピアス閉鎖」

まずピアスホールの深さ6,7ミリに渡ってレーザーで焼灼処理をすれば表面皮膚にもレーザーの熱ダメージが加わり、傷跡が残るリスクが高いでしょう。

また、ガイドのないレーザーでピアス穴の入り口と出口を正確に繋げることは極めて困難。そのため予定しない部分にキズができるリスクがあります。

ピアスホールの裏打ち皮膚を、ひとかけらも残さずに処理することは更に困難。そして、ピアスホール内の皮膚を少しでも残せば将来トラブルになります。

実際に当クリニックでも、レーザーによるピアス閉鎖後のキズ跡と上皮取り残しによるトラブルの症例を、手術によってリカバリーしたケースもあります。

■「私の治療イメージと術後の状態」

手術を担当した私には、レーザーによるピアス閉鎖は熱した火箸で火傷させるようなワイルドな方法だなと感じられました。

レーザーという言葉のイメージに惑わされることなく、こうしたデメリットも理解した上でよく検討していただけたら幸いです。

5.まとめ

最後までお読みいただきありがとうございます。

本日はピアスの失敗とそのリカバリー法について説明しました。

失敗してもすぐには諦めずに、本日説明したリカバリー法をぜひ試してみて下さい。

尚、神楽坂肌と爪のクリニックで治療をご希望の方は、当院ホームページの問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。

ご連絡、ご相談、お待ちしています。

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【記事監修・執筆】

医師 医学博士 院長 野田 弘二郎

  • 日本形成外科学会専門医
  • 皮膚腫瘍外科指導専門医
  • プロネイリスト
  • ミラドライ公式認定医
  • オールアバウト公認 肌と爪の健康ガイド
  • パリ第7大学ドゥニ・ディドロ微少外科手術ディプロマ取得
  • 日本形成外科学会、国際形成外科学会、日本美容外科学会、日本皮膚外科学会、日本美容医療協会会員

<詳しいプロフィールはこちら>

神楽坂肌と爪のクリニック 形成外科|腫瘍皮膚科|美容皮膚科
院長 野田 弘二郎(日本形成外科学会専門医)
副院長 野田 真喜(女性・日本形成外科学会専門医)
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