ピアス穴閉鎖手術のお話(続編)ピアス穴がクサイ!使ってないピアス穴はなんで臭うの?ピアス穴閉鎖手術のお話(続編)
ピアス穴を塞ぎたいと来院される患者さんの理由として多いのが「ピアス穴の場所が気に入らない」「仕事に差し支える」などがあるというのは前編でもお伝えしましたが、最近増えている理由が「ピアス穴がクサイ」からというもの。今回はピアス穴閉鎖術のお話・続編ではの前編、後編に続いて「なぜピアス穴がクサイの?」について説明します。
さて、永遠の5才のあの人が問います、
ピアスが似合う素敵な大人の皆さん、何故ピアス穴がクサイのでしょうか?
「気のせいだから?」
あの、ぼーっと生きてらっしゃいませんか?
ピアス穴がクサイのは、ピアス穴に垢が溜まっているから!
説明しましょう。後編でも書きましたがピアスのトンネルの壁は皮膚で裏打ちされています。普通の皮膚と同じで表面には角質で覆われ、古い角質は垢となって皮膚から剥がれ落ちます。皮膚の場合はお風呂で清潔にしていれば問題ないのですが、使ってないピアス穴はトンネルの中に垢がたまった状態になりがちです。垢が長く放置されると酸化して酷い臭いを発するようになります。そうすると耳たぶを触れた指先にこれが付着して嗅ぐと酷い臭いがするというわけです。例えばこのブログ「【ガチ】ピアスの穴がクサすぎて同僚を殺しかけてしまったので1カ月そうじした結果 …」のように・・・・
なお、ピアス穴がクサイ理由として皮脂汚れが原因と書いてあるブログもありますが医学的には正しくありません。なぜならピアス穴のトンネルを覆う上皮には皮脂を分泌する皮脂腺や毛穴といった皮膚付属器が存在しないからです。垢+周りの皮膚からの皮脂汚れくらいはあるかもしれませんが。
でもピアスの穴の中を洗うって難しいですよね?じゃ、クサイピアス穴はどうしたらいいの?簡単です。いつもピアスをしていれば良いのです!ピアスを入れる時に垢が押し出されるので溜まりにくくはなります。でもピアス穴を5個も6個も開けていても結局使っていない穴が沢山あるという方は塞ぐ事を考えても良いと思います。他人に耳たぶの臭いを嗅がれるということは日常生活ではあまり無いのですが、それだけに万一特殊な状況で臭ってしまったら?大切な人を幻滅させてしまうかも知れません・・・。多すぎるピアス穴を整理したい、キレイに塞ぎたいとお考えの方、ピアス穴閉鎖手術のお話前編と後編お読みいただいた上で是非当院へ御連絡下さい。
さて、実はピアスをしていないのに耳タブがクサイ人がいます。理由はいくつかありますが一つは実は耳の穴の付近や耳タブの裏側は皮脂が多く分泌される部分でもあり汚れが溜まりということ。お風呂で洗う時におろそかになりがちですが耳タブですが、毎日小まめに洗いましょう。二つ目の理由として粉瘤というおできがあります。耳たぶの付け根部分の裏側、耳介側頭溝と呼ばれる場所には粉瘤ができやすくこれが耳たぶの臭いの原因となっていることもあります。繰り返し化膿したり皮膚の奥にコロコロおできを触れる場合は病院で相談しましょう。三つ目の理由として、耳瘻孔という先天的な病気の方があります。耳前瘻孔、先天性耳瘻孔などとも呼ばれます。この場合、瘻孔、つまりトンネルの中に垢が溜まりやすくクサイことがあります。先天性耳瘻孔についてはこちらの記事をご覧下さい。
【記事監修・執筆】
医師 医学博士 院長 野田 弘二郎
- 日本形成外科学会専門医
- 皮膚腫瘍外科指導専門医
- プロネイリスト
- ミラドライ公式認定医
- オールアバウト公認 肌と爪の健康ガイド
- パリ第7大学ドゥニ・ディドロ微少外科手術ディプロマ取得
- 日本形成外科学会、国際形成外科学会、日本美容外科学会、日本皮膚外科学会、日本美容医療協会会員