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神楽坂 肌と爪のクリニック

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神楽坂「肌爪日記」クリニックブログ

巻き爪治療はネイルサロンでする??!

毎日沢山の巻き爪治療患者様とお話しする機会があるのですが、巻き爪の治療ってどこに行けばよいか分からなかったとおっしゃる方が意外に多くいらっしゃいます。
病院の中で何科かについては厳密なものはなく、形成外科ではもちろん行うのですが、整形外科や外科、皮膚科で行っているところもあります。
巻き爪を積極的に治療しているかどうか、最近では事前にホームページで確認することが出来ます。
でも以外に知られていないのが、実は巻き爪矯正は医療行為ということ

病院じゃ無くても巻き爪矯正やってるところ沢山ありますよね?

ネイルサロン、
フットケアサロン、
巻き爪専門店
治療院、整骨院
もあります。

紛らわしいことに施設に××クリニックとか○○院と名前がついてて、白衣を着た「院長」が出てきたとしても、それは医師の資格がない人。(「クリニック」や「治療院」のような紛らわしい名前を付けてはいけません。「厚労省が公開している資料「あはき、柔整施術所等の広告に関する実態等」)

柔道整復や「あはき業(あんまマッサージ指圧、はり・きゅう)」と言われる資格の皆さんだったり、中にはそうした国家資格の全く無い人達まで、さっきのネイルサロンや育爪サロンとかがそうです・・・

類似の業種が多すぎてカバーしきれませんが、どれも医師が一人も勤務していないというのが共通です。


こうしたところでは法律(医師法)上、巻き爪治療は行うことができません。

「ネットにできるって書いてあった!」と思う方も居るでしょう。

でもソースを確認した方が良いです。

法律の解釈はいろいろですが、個人や企業、団体の勝手な解釈を鵜呑みにするのは危険です。

たとえば厚生労働省からこういう通知が出ています。

医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について(通知)
平成17年7月26日

曰く「爪そのものに異常がなく、爪の周囲の皮膚にも化膿や炎症がなく、かつ、糖尿病等の疾患に伴う専門的な管理が必要でない場合に、その爪を爪切りで切ること及び爪ヤスリでやすりがけすること」は「原則として医行為ではないと考えられるもの」

つまり医師や看護師で無くてもできると書かれています。

確かに爪切りと爪ヤスリはしてよろしいと書いてありますが巻き爪矯正もしても良いとはこの通知のどこにも書いてありません。巻き爪という言葉さえて出てこないのです。

しかもここには「炎症がない」という前提までつけられています。

巻き爪で痛かったら炎症があるのですから、職業として行う場合、医師や看護師で無ければ爪切りも爪ヤスリさえもしてはいけないということです。。

まして巻き爪矯正などできるはずもない。

この通知を独自に拡大解釈して「厚労省から医師で無くても巻き爪治療ができると通知が出ている」とネットに書いている巻き爪商材業者がいるのには驚きます。

それを業者の言い分だけを読んで医師で無くても合法と信じている人が多いんです。

上記の情報ソースを読めば、医師で無くても巻き爪治療できるなんてのは都合の良い勝手な解釈にすぎないことがすぐに解るのに・・・。

この件は経済産業省のグレーゾーン解消制度でも取り上げられています。

高齢者介護施設におけるフットケアサービスの実施に係る医師法の取り扱いが明確になりました

2019年11月20日

「利用者の身体のうち医師が治療の必要がないと判断した部位に対して、(1)軽度のカーブ又は軽度の肥厚を有する爪について、爪切りで切ること及び爪ヤスリでやすりがけすること、」

は医師法に違反しないとされています。

この文書を根拠にして「医師じゃ無くても巻き爪治療ができる」と拡大解釈している人も居るようです

確かに爪切りと爪ヤスリはしてよろしいと書いてありますが巻き爪矯正もしても良いとはどこにも書いてありません。巻き爪という言葉さえて出てこないのです。

そもそもこの文書の前提ですが、「利用者」とはサロンや治療院のお客さんという意味ではなく「高齢者介護施設」の入所者の事なのです。

そして「医師が治療の必要がないと判断した・・・」の医師とは介護施設を管理する医師のこと。

「提携している皮膚科の先生の許可があるので当社では巻き爪矯正ができる」というのは恐ろしいほど都合の良い解釈です。

新聞やテレビ報道のような都合の良いキリトリ解釈はいけません。

ソースを確認すれば明かです。

だって、普通に巻き爪治療院は営業しているし、広告だってしてるじゃない???

ネットで問題ないって書いている会社があるじゃない???

!?
いやいや、治療院が巻き爪を広告するのも役所の指導対象なのです。つまりやっちゃだめ。

先ほどの挙げた「あはき、柔整施術所等の広告に関する実態等」にこういう記載があります。

「○適応症、効果・効能等は広告不可 ≪主な指導事例≫「巻き爪」」

これは過去に「巻き爪やっています」と広告を出して厚労省から指導が入った治療院があったという報告です。

それでも巻き爪を広告している治療院が無数にあるのは、それが合法ということではなく取り締まりが緩いためでしょう。

こちらにも同様の資料があります。《違反の多い広告の事例》「巻き爪矯正等」

ここで問題にされているのは柔道整復や「あはき業(あんまマッサージ指圧、はり・きゅう)」業者ですが、

実は更に問題なのは、こうした資格がなく、実はなんの国家資格もない人が巻き爪矯正院として営業していることだと思います。

念のため言うとネイリストというのは団体が勝手にやっている資格であって国家資格ではありません。

このように医師以外行う巻き爪矯正が違法であることはさまざまな根拠があるのですが、

現場、つまり保健所の判断はどうなのか、院長自身が新宿保健所まで出向いて見解を確かめました。

担当者曰く、「明かに医師法違反です」「どんどん通報して下してください」

いやいや、恨まれたくないから通報は絶対しませんけどね・・。

ここまで読んでも「そんなはずはない!医師で無くても巻き爪矯正ができるはず!」と思った方は是非ご自身で所轄の保健所で聞いてみて下さい。
すごく丁寧に教えてくれますから。


因みに、某ドイツ式矯正器具で治療法を行っていてドイツの資格があるとおっしゃる業者さんがいるそうですが、もちろんドイツの資格は日本では通用しません


商材の卸業者などの有料講習会でもらえるライセンスも法的には無資格で施術する人を守ってはくれません。

あれは商品と施術者に権威性をもたせるための方便にすぎず法的根拠はゼロです。

実際ある巻き爪商材を販売しているある大手の業者が当院に営業に来たので担当者に直接確認してみました。

「巻き爪治療って医師で無くてもやっていいんですかね?」

「えっと・・・・ダメです。ですから当社は医療機関以外には販売してませんから!」>ウソつけ!

巻き爪治療だけじゃなくて、永久脱毛やアートメイクなど実は医療機関でないと行えないけど、ちまたで普通にやっているという施術は他にもあります。
医療に関する知識がない人が施術すれば怪我や火傷などの事故をおこして健康被害がでると当然逮捕されます(医療機関でも事故は起こりえますが、速やかに対応出来ますし、資格があるので刑事責任を問われることは希です。)。
時々ニュースにもなっているのでご存じの方も多いでしょう。

巻き爪矯正だって爪が折れたり欠けたり、剥がれて血腫が出来るといったことが起こります。
医師法違反で起訴されると懲役刑などの厳しい罰則があるのですが、ニーズが多いのでそうしたなかなか業者はなくなりません。実はやっている本人が法律を犯していることを知らないということも多いんじゃないでしょうか?

そうしたところで治療をうけた患者さんから多く聞かれるのが・・・
・高額な治療費を払って長期間治療をしたが良くならなかったが、あなたの爪が悪いと言われた。
・後で爪水虫の合併症があることがわかったが、なにも言われなかった。
・治療に必要な薬だからとよくわからない薬液を買わされた。
・接着剤かぶれで赤むけしたが放置されていた。
・続けないとひどいことになると言われたが無視していたら割引券が送られてきて逆に怖くなった
・そもそも巻き爪ではなかった!!
そうした話しをうかがうと、本当に悲しい気持ちになります

なかにはおかしいと思って病院に行くことも考えたが、もし病院に行ったりしたらすごく痛い目に遭うよ!

と脅されてずっとこれなかったという人さえいるのです。(←これ一番悪質かも(^_^;)

もちろんそうした業者さんばかりではないのでしょうが、いずれにしてもネイルサロンや整骨院などでの巻き爪治療は医師法により厳に禁じられていることは知っておいていただきたいのです。

患者さんご自身の安全のためにも必ず医療機関でご相談下さい


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神楽坂肌と爪のクリニック 形成外科|腫瘍皮膚科|美容皮膚科
院長 野田 弘二郎(日本形成外科学会専門医)
副院長 野田 真喜(女性・日本形成外科学会専門医)
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