【専門医のまとめ第5回】巻き爪やさしく解説:巻き爪ワイヤー矯正編【無痛&速効性】
神楽坂肌と爪のクリニック』の院長、野田弘二郎です。
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巻き爪シリーズ、第5回の今回はワイヤー矯正について詳しく説明します。
巻き爪治療と言えば辛い痛みがつきものですよね?触れられるだけでも痛い巻き爪です。「その治療が痛くないはずがない」…そうお考えの方も少なくないと思います。
でもご安心を。ワイヤー矯正なら治療の痛みはまったくありません。ゼロです。しかも、痛みは99%以上のケースで治療開始5日以内に消失または激減します。
今回はそんな凄いワイヤー矯正について実際の施術動画も交えて詳しく説明いたします。ぜひ最後までご覧いただき、ご家族やお友達とも共有していただければ嬉しく思います。
【目次】
1.巻き爪ワイヤー矯正とは何か?
巻き爪ワイヤー矯正とは、爪にあけた穴に特殊な金属線を通し、金属線の力で爪の形を徐々に整え、痛みや圧迫感を取り除く方法です。
神楽坂肌と爪のクリニックでは、巻き爪で来院された患者さんに、ワイヤー矯正と前回の動画で説明した根治手術を中心に提案しています。
その際、どちらかへの誘導にならないよう気をつけています。あくまでも、フェアに、とくにデメリットを中心にご説明することで、患者さん自身に治療法を選んでいただくようにしています。
結果として、9割以上の方が『ワイヤー矯正』を選択されます。
■ワイヤー矯正の特徴
ワイヤー矯正の最大の特徴は“無痛”であること、そして速効性です。
「爪に穴をあけるのが痛そう…」とよく言われるのですが、実際はまったく無痛です。手術のような安静も必要なく、当日からハイヒールで歩いたり、走ることもできます。そして施術直後、あるいは遅くとも5日以内に99%以上の患者さんに痛みが激減・消失します。治療前は半信半疑だった患者さんも、本当に無痛であること、そして直ぐに痛みが取れることに大変驚かれます。
■ワイヤー矯正の欠点
欠点を挙げるとすれば、健康保険が効かないため費用が高いこと、そして根治手術と比べて再発に弱いことでしょうか。これは次に説明するワイヤー以外の矯正法もおなじです。
■治療費の相場
医師が施術する場合、治療費の相場は材料費込みで1回あたり5000円〜1万円ほどです。神楽坂肌と爪のクリニックで巻き爪矯正1クール、当院では4回ワイヤーを入れ替えながら半年間矯正すると、治療費総額は4万円ほどになります。
再発については後ほど説明します。
2.巻き爪ワイヤー矯正は他の矯正法とどう違うのか?
巻き爪矯正には使用する器具の違いによって、以下のような種類があります。
超弾性ワイヤー、巻き爪マイスター、VHO、BSスパンゲ、巻き爪クリップ。肌と爪のクリニックでは、ここに挙げた矯正法のすべてを取り扱っていますが、私自身が実際治療に使ってみて感じた特徴を表にすると以下のようになります。
今回、巻き爪ワイヤー矯正としてお話ししているのは、表でいう左端の超弾性ワイヤーによる矯正です。これは、私の知人であり尊敬する『町田英一博士』がマチワイヤー法として1999年発表された方法。ご覧のように、超弾性ワイヤーが総合的に最も優れています。そのため当院では、99%の患者さんに超弾性ワイヤーを使用します。また、全国の医療機関で、もっとも広く普及しているのもこの方法です。
3.超弾性ワイヤー矯正とは?
巻き爪矯正のワイヤーはニッケルチタンという特殊素材。ニッケルチタンは形状記憶合金として有名です。巻き爪矯正に使われるワイヤーは、常温で直線になるよう記憶させたもので、その温度帯で超弾性という非常にしなやかな性質を有しています。
超弾性ワイヤーを爪に開けた穴に通して、巻き爪のカーブに沿わせて固定すると、ワイヤーが直線の戻ろうとする力によって爪が引っ張られ、形が真っ直ぐに整えられるのです。
特徴はなんといっても適応範囲の広さです。爪の穴に単線を差し込むという非常にシンプルな構造で、矯正力の調整も自在なため、薄くデリケートな爪から分厚く硬い爪、軽い変形からひらがなの「“の”の字」に巻いた高度変形まで、あらゆる巻き爪をカバーします。コンパクトに爪と一体化するため、とくに意識することもなく、いつも通りの日常生活をおくることができます。パンプスを履いたり、スポーツをやったりできることはもちろん、空港セキュリティゲート通過やMRI検査も問題ありません。
4.神楽坂肌と爪のクリニックのワイヤー矯正
神楽坂肌と爪のクリニックのワイヤー矯正の最大の特徴は、その症例数にあります。
年間で5,000件、累計5万件以上施術しており、これは世界有数の施術実績です。
小さなクリニックではありますが、巻き爪矯正のスペシャリストとして、東京大学医学部附属病院や三井記念病院などの総合病院をはじめ、都内各所のクリニックから多数の紹介患者さんを受け入れています。もちろん、ご紹介がなくても当院に直接お問い合わせいただいても結構です。
もう一つの特徴として採用しているワイヤーとツールがあります。我々が独自に開発した『オニックスワイヤー®』という製品です。使いやすさと優れた治療実績から、最近採用する医療機関が増えています。本記事をご覧の医師の方で、興味をお持ちの方はこちらをご覧ください。
5.ワイヤー矯正の実際
オニックスワイヤーを使って施術している動画をご覧いただきます。
当院では、患者さんにご安心いただくために座った状態で施術します。ご自身の施術の様子を、目の前でご覧いただけます。当院で矯正を受けた患者さんであれば、この動画が決して早回しではないことがお分かりいただけるはずです。
過去に、他の病院や巻き爪治療院でワイヤー施術を受けていた患者さんから「前のところでは、すごく時間がかかった」「とても痛かった」という話しを伺ったことがあります。しかし、ご覧いただいているように、巻き爪ワイヤー矯正は正しくおこなえば、1分程で終わります。そして、まったくの無痛なのです。
ワイヤー矯正動画は、当院以外のものもYouTubeでいくつも見ることができます。
ぜひ「巻き爪 ワイヤー矯正」で検索して、比べてみて下さい。
6.治療の流れ
巻き爪ワイヤー矯正はワイヤーの力で徐々に形を整える治療です。急激に力を加えると爪が欠けたり、爪が剥がされて内出血をしたりすることがあります。また痛みが取れてからといってすぐに外すと後戻りしやすいです。
当院では半年くらいかけて徐々に爪の形を矯正していきます。通常は初診当日に矯正を開始します。開始直後はワイヤーが取れやすいので一週間後に再診していただきます。その後は6週おき通院していただき、その都度、爪切りとワイヤーの交換をおこないます。概ね半年後にワイヤーを外しますが、爪が硬い方や変形が強い方は1年位のこともあります。
7.ワイヤー矯正の問題点
ワイヤー矯正の優れた効果について説明してきましたが、ここで問題点について説明します。
1.再発が多い
我々の経験では、矯正1クールを終えた患者さんの約3割が再発で受診されます。根治手術の再発がほぼゼロであることを考えると、非常に多いと言えます。
再発が多い理由としては、
こちらの動画で説明したような巻き爪の原因が、治療後も取り除かれないため治療前と同じ理由で爪が巻いてしまうのです。
再発された方の99%以上が矯正再開を希望され、根治手術への変更を希望される方は、ほぼゼロです。
これはワイヤー矯正が無痛であることと速効性が評価されてのことだと思います。ワイヤー矯正は巻き爪と徹底的に闘うと言うより、日々一歩一歩を気持ち良く歩けるようになることが治療の目的と考えるべきなのかもしれません。
2.爪割れ、外力による脱落
つま先は外力を受けやすい部分であるため、ワイヤーは常に衝撃や荷重、摩擦、湿気に晒されます。厳しい条件の中、約3%の患者さんで爪が割れたり、接着が外れたりしてワイヤーが脱落します。そしておなじ患者さんで、何度も繰り返し外れる傾向があります。また、脱落してもご自身でワイヤーをつけることはできません。治療継続には来院が必要であり、患者さんの負担になることがあります。
3.取扱い医療機関が少ない
巻き爪ワイヤー矯正は非常に優れた方法であり、四半世紀もの歴史があります。にもかかわらず、いまだに皆さんが近隣の病院で手軽に受けられるほどは普及していません。
この理由として、医師のスキルによる治療成績のバラツキがあると考えています。安定した結果が得られないことが施術医師や患者さんの不信を招き、普及の妨げになっているのです。ご覧のケースは、治療途中で他院から転院されてきた患者さんたちで、2年以上続けてもまったく改善しないとか、ワイヤーが飛びだして危険というケースさえあります。
こうした患者さんには、当院でオニックスワイヤーを使っての矯正のやり直しをおこないます。オニックスワイヤーは、医師が巻き爪矯正に取り組みやすい環境と整え、安定した治療成績が得られることを目的に開発されました。ワイヤー矯正の普及により、一人でも多くの患者さんが痛みから解放されることを願ってやみません。
8.まとめ
巻き爪シリーズ第5回の今回は、ワイヤー矯正について説明しました。
ワイヤー矯正に興味をお持ちの方がいらっしゃいましたら、お近くの取り扱い医療機関、または当院までお気軽にお問い合わせください。
尚、神楽坂肌と爪のクリニックで治療をご希望の方は、当院ホームページの問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。
ご相談、お待ちしています。
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【記事監修・執筆】
医師 医学博士 院長 野田 弘二郎
- 日本形成外科学会専門医
- 皮膚腫瘍外科指導専門医
- プロネイリスト
- ミラドライ公式認定医
- オールアバウト公認 肌と爪の健康ガイド
- パリ第7大学ドゥニ・ディドロ微少外科手術ディプロマ取得
- 日本形成外科学会、国際形成外科学会、日本美容外科学会、日本皮膚外科学会、日本美容医療協会会員