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神楽坂 肌と爪のクリニック

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神楽坂「肌爪日記」クリニックブログ

グリーンネイルに関するウソとホント その2 神楽坂肌と爪のクリニック 院長野田弘二郎

ネイリストや皮膚科専門医でも間違って理解していることが非常に多いグリーンネイル。爪の専門医神楽坂肌と爪のクリニック院長野田弘二郎がその真実に迫るというこのブログ、「その1」は読んだけどいつになったら「その2」を書くんだよ?という問い合わせは実は一件もありません(T-T)。でも「その1」はかなりの方に読んでいただけたようなので「その2」を書くことにしました。グリーンネイルについて良く言われる噂4と5。さて、このうち事実はどれでしょう?爪の知識に自信のあるあなた!是非挑戦してみて下さい。(1〜3についてはこちら。)

4.グリーンネイルには抗生物質の飲み薬による治療が必要

5.グリーンネイルは変色した爪を削り落とすと良い

ジェルネイルによるグリーンネイル。ジェルが浮いた形に色がついている。

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正解は、全てウソ!!!!!!!

では説明です。まず4から。グリーンネイルには抗生物質の飲み薬による治療が必要>ウソ!!すごく効く飲み薬をたくさん飲んだとしてもグリーンネイルに全く効果がないんです。理由は飲み薬の成分がグリーンネイルになっている爪とジェルの間にできた隙間には届かないから。飲んだ薬は消化管で吸収され、血管の中でアルブミンという物質に結合し、血液の流れに乗って作用部位まで運ばれて効果を発揮します。つまり飲み薬が効くためには作用部位に血液が流れていることが大前提なのです。ではグリーンネイルになっている爪とジェルの間にできた隙間はどうでしょう?ただの空洞であって血は流れてませんよね??つまり抗生物質を飲んでも爪とジェルの間にできた隙間に薬が運ばれることは決してないのです。だから効かないのです。ちょっとは効くでしょうって??いえいえ、全く効きません。

でも、爪水虫には飲み薬が効くじゃないかって?あなたは鋭い!でもね、爪白癬はグリーンネイルのような爪とジェルの間にできた隙間の病変ではなくて「爪実質」病変なのです。「爪実質」、言い換えれば爪そのもの、つまり角質を白癬菌が食い荒らしている状態です。食い荒らされて爪がボロボロになってます。では爪表面の隙間同様、血流のない実質にどうやって飲んだ薬を届けるのか?爪白癬では薬のターゲットは爪そのものでは無くて爪母という「爪を作っている細胞」なのです。そしてその爪母には豊富に血が流れています。血液に乗って爪母に届いたお薬が爪母細胞に蓄えられ、細胞が爪を作る時に爪実質に移行していきます。そうすると薬を含んだ爪がどんどん作られます。薬を含んだ爪が先の方に伸びていき、爪の中になる白癬菌を押し出すように治癒させます。だから爪白癬の治療は半年とか1年とかとっても時間がかかるんですね。それに対してグリーンネイルは爪甲そのものに異常がないんです。繰り返し書いたように爪とジェルの間にできた隙間で緑膿菌が増えているだけなんです。

実はこの事をブログに書いたり取材でお話しするのは初めてです。というのも当院に来院されるグリーンネイルの患者さんの中には前にかかったお医者さんから抗生物質の飲み薬を処方されたけど効かないという方がとってもとっても多いんです。つまり飲み薬が効くと考えているお医者さんがすごく多いってことですね。私が本当のことを書くとそうした先生が怒っちゃうんじゃないかと心配したんです。あるいは患者さんがそういう先生方ともめちゃうんじゃないかと。でも書かないのもブログ読んでくれた人の利益にならないのでもう書いちゃえと。で、はい書きました。飲み薬だって効くんだっておっしゃる同業医師の皆様からの反論も大歓迎ですのでこちらまでお願いします。(ちなみにこの記事を公開して以来一度も反論はいただいておりません

次に5。グリーンネイルは変色した爪を削り落とすと良い>ウソ!というより削ってはいけないんです。これも書きにくかった!だって、私のところに来院されある患者さんはグリーンネイルを発見したネイリストによってめっちゃ爪を削られてるから。グリーンネイルはお客さんとトラブルになりやすいので、気がついたネイリストさんはメチャメチャ焦るんでしょうね、でメチャメチャ削っちゃうんですね。そうすると爪が薄くなってしまうのですが、やり過ぎて中央が赤くヒリヒリしたり最悪穴が開いちゃったり!!ウソと思うでしょうがほんとにそいういう患者さんがいたんですから!それに爪って薄くされちゃうと次にジェル載せた時にまたグリーンネイルを起こしやすいんですよ。爪がペコっと変形した時にジェルと爪の間のズレが生じて隙間になりやすくて、そこがグリーンネイルになるんですが、薄くされるとますますペコッとなりやすいんですね。で、次またグリーンネイルになりやすくなるという理屈です。

削りすぎて赤くヒリヒリになってしまった爪

少なくないネイリストがやってはいけない方法で対処してしまっているんです。じゃ、グリーンネイルの爪はどうしたら良いか?ここまで熱心に読んでくれた読者の為にどこにも書いていないグリーンネイルの正しい対処法を爪の専門医である私が教えちゃいます。

1.普通にジェルをオフします。緑色になっていない爪も全部オフします。
2.石鹸をよく泡立てて丁寧に洗います。薬用とかじゃなくても、液体でも固形でもフォームでも。石鹸なら何でも良いんです。
3.爪の表面を指でこすって緑の色素を落とします。こすりすぎるのはだめ。
4.たっぷりの水ですすぎます。流水で20秒くらいで良いでしょう。
5.タオルで拭いたら何も塗らずに乾燥させましょう。
以上です!

「え??それじゃ手洗ってるだけじゃん?まだ緑色が残っているんですけど?!」というお声が聞こえてくるようです。でも良いんです!ジェルの時にサンディング(ヤスリで削る前処置)された爪は表面がザラザラなので色素が食い込んで取れにくいこともよくありますが、自爪で生活するうちに色はだいたい取れます。最後はあったとしても薄い黄色になっているはずです。2週間は自爪ですからマニキュア塗ったり、オイル塗ったりしないで下さいね。何だったら塗っても良いかって?ハンドクリーム使う時に爪についちゃうくらいは良いでしょう。あとは例外なく全部やめましょうね。消毒液も抗菌剤軟膏もすべて不要です。2週間何もつけずに自爪で生活すれば多少色が残っててもジェル再開もOKです。色は色素が残っているだけで菌自体はいなくなっていますので安心して下さい。のせるジェルはピンクとかだとグリーンが透けるからネイビーとかがお勧めです。

その1でも書きましたが、このブログに書いたのはジェルを塗っている方の爪の表面にできたグリーンネイルのお話です。剥がれた爪の裏側のグリーンネイルは原因、症状、治療法が全く異なりますのでご注意下さい。それについてはまた別の機会に詳しく説明します。

長い記事をお読みいただきありがとうございました。グリーンネイルに関する俗説、ネット情報、ネイリストや皮膚科医といった専門家とされる人達の知識までがいかにいい加減かご理解いただけたことでしょう。正しく理解してジェルを楽しんで下さいね。くれぐれもグリーンネイルになったからとサロンやネイリストに噛みついてはいけませんよ。恥をかきますから。またネイリストも開き直ってはいけませんが必要以上に罪を感じる必要は無いのです。正しく対処して、念のため皮膚科受診を勧めてください。もちろんジェルがリフトしにくいよういつも技術を磨きましょう。

お願い!!当院に受診を検討されてらっしゃる方へ。
当院の医師はグリーンネイルになっている指以外を含めて、全ての指の状態を診察しますので全ての指のジェルをオフしてからご予約(完全予約制)をお願いしております。クリアジェルやオイルを含めて、一切何ものせずに、自爪で来院をお願いします!!せっかくおいでいただいても、再度出直していただくことがよくあります。たとえ「他の指はなんともない」としても、「ジェルを載せたばかり」だったとしても、「ネイリストが良いといった」としても、必ずオフしてから初診をお願いします。

神楽坂肌と爪のクリニック 形成外科|腫瘍皮膚科|美容皮膚科
院長 野田 弘二郎(日本形成外科学会専門医)
副院長 野田 真喜(女性・日本形成外科学会専門医)
〒162-0825
東京都新宿区神楽坂2-12-15 さわやビル2F
予約制03-3513-8212
●終日診療 △午前の部のみ診療 -休診
【平日】10:00~13:00/14:00~19:00
【土曜日】9:30~12:30/13:30~18:30
初診の最終受付は平日18:15、土曜日17:45となりますのでご注意下さい。
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院長野田 弘二郎
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