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神楽坂 肌と爪のクリニック

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神楽坂「肌爪日記」クリニックブログ

グリーンネイルに関するウソとホント その1 神楽坂肌と爪のクリニック 院長野田弘二郎

ネイリストや皮膚科専門医でも間違って理解していることが非常に多いグリーンネイル。今日は爪の専門医神楽坂肌と爪のクリニック院長野田弘二郎がその真実に迫ります!グリーンネイルについて良く言われる次の5つの噂。さて、このうち事実はどれでしょう?

爪の知識に自信のあるあなた!トップクラスのネイリスト?それともベテラン皮膚科専門医?是非次の5つの○×問題に挑戦してみて下さい。

1.グリーンネイルはカビの一種である

2.グリーンネイルは不潔なネイルサロンでうつることが多い

3.グリーンネイルは他の指にもうつりやすい

4.グリーンネイルには抗生物質の飲み薬で治療する

5.グリーンネイルは変色した爪を削り落とすと良い

グリーンネイル治療前
ジェルネイルによるグリーンネイル。ジェルが浮いた形に色がついている。
グリーンネイル治癒後
色素の食い込んだ爪が伸びきって元に戻った爪。

答えは↓

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全てウソ!!!!!!!なんと!!

では解説しましょう。

まず1。グリーンネイルはカビの一種である>ウソ!!グリーンネイルで見られる鮮やかな緑色、これはピオヴェルディン、あるいはピオシアニンという色素の色なのですが、皆さんお馴染みのパンにつく青カビの色によく似ていますね。このためグリーンネイルはカビだと思い込んでいる方が実に多い、というか、お医者さんやメディアの方も含めてなぜかほとんどがそう思いこんでらっしゃる。でもつくられる色素の色は似ていても実は全く違う物です。グリーンネイルの原因となる病原体はカビではなく、緑膿菌という細菌です。水虫菌とも違いますよ。実は水虫のほうこそカビの一種、これはまた別の機会に。

医療関係でない方には病原体となる細菌、真菌(カビ)、ウイルスなど微生物の違いはわかりにくいと思いますが、細菌と真菌(カビ)はテントウムシとでんでん虫くらい違います。ん・・・?余計わかりにくいか・・・。なんかイメージが似てるけど実は全然違うものなんだよということが言いたかったんです。赤くて黒い点のある小さな甲虫テントウムシと貝殻をしょったナメクジみたいなでんでん虫を間違える人なんていませんものね。

当院受診の前に他の皮フ科でグリーンネイルに水虫の薬(抗真菌薬)が処方されている患者さんを非常に多く診察します。緑膿菌には抗真菌薬は全く無効ですので効果はありません。まぁ、だから治らなくて困った患者さんが当院へいらっしゃるのだと思いますけどね。皮膚科専門医さえ正しい知識が無いのがグリーンネイルなんですよ。普通に人が誤解しても仕方ないですね。あ、たまに爪のカビである白癬菌と緑膿菌の混合感染はありますよ。つまり両方にかかっているというケースです。この場合は白癬菌に効く抗真菌薬を使うのが普通です。

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次に2。グリーンネイルは不潔なネイルサロンでうつることが多い>ウソ!そもそもネイルサロンでうつるという世の中の常識がウソなんです。私の所にいらっしゃる患者さんにはサロンでグリーンネイルになっちゃって散々もめた後という方も多くて、じっくりお話を伺った後で「実はサロンでうつったわけじゃありませんよ」と言うと皆さんメチャメチャ驚かれます。お店で「訴えてやるっ!てすごんじゃったのに・・ヤバッ!(実話)」まぁまぁ落ち着いて下さい。

んじゃ、その緑膿菌ってやつどこから来たの?ええ、それがね、意外なところなんですよ。それは皆さんの手の皮膚です。「うぇ〜〜〜!!あんなに洗ってるのに〜!」またまた驚かれます。実は緑膿菌は常在菌といって正常な状態で皮膚に上に普通に住んでいます。緑膿菌に限らずいろんな菌がいるんですよ、実は。細菌叢と呼ばれる集団を作って私たちの健康に役立ってるんです。「腸内細菌叢」って聞いたことありますよね?同じシステムが皮膚にもあります。ふだん個々の細菌は普段は少数しかおらず、イイ感じでバランスしているのでなにも症状はないのです。むしろ健康に役立っているのです。

でも何らかの理由でバランスが崩れると悪さをすることがあります。例えば緑膿菌は狭くて湿った隙間を見つけるとそこでわ〜っと増えて、独特の色素を作り出し爪を緑色に染めるんですね。狭くて湿った環境とは、例えばジェルの浮き上がって出来た爪との隙間みたいなところです。だからグリーンネイルをよく見ると隙間の形に色がついていますでしょ?他にジェルによるカブレやケガで爪が浮き上がってできた隙間でも増えますよ。同じように緑色になりますが、ジェルの浮き上がりで見られるグリーンネイルとは治療法や予後が全く違います。コレもまた別の機会に

グリーンネイル。浮き上がったジェルの隙間の形に色が付いている
グリーンネイル。浮き上がったジェルの隙間の形に色が付いている

さて、グリーンネイルは菌の数が増えていますが炎症をおこしている訳ではないので痛くもなんとも無いんです。ちょっと臭いけど(^_^; 緑膿菌ってピオ臭という独特に臭いがあるんですよね。傷の手当てで現場経験のある医師や看護師ならご存じのはず。そう、あの臭い。因みにピオはpyo、つまり「膿」のことですが、医療現場ではピオと言えば特に緑膿菌のことを指します。この俗称は緑膿菌自体の発見がガーゼについた「膿」がきっかけだったことに由来します。医療業界に多い隠語の一つです。因みに緑膿菌の学名はPseudomonas aeruginosa。私は医者に成り立ての頃、どうして緑膿菌ってシュードモナス・エルギノーサなのに「ピオ」っていうんだろ?と悩んだことがありました。30年以上も前の話です。

次は3。グリーンネイルは他の指にもうつりやすい?ここまで読まれた方はもうおわかりですね。答えはウソ!グリーンネイルはうつりません。繰り返しになりますが、ジェルが爪から浮いてできた小さな隙間に水が入り込んで狭くでジメジメした環境ができます。そうした環境でそこにもともとそこに住んでいた緑膿菌が増えたのです。2本の指にグリーンネイルになった時、どちらからうつったと考える人が多いですが違います、うつりませんから。2本の指に同時に緑膿菌が増えやすい条件が揃って、もともとそこに住んでいた緑膿菌が増えたに過ぎないのです。もうわかりましたね?グリーンネイルはうつる病気ではないのです。私は爪の専門医として毎日グリーンネイルの患者さんの爪に触れていてますが、私自身は決してグリーンネイルにはなりません。

長くなりましたので4と5はこちらでお読み下さい。

お願い!!当院に受診を検討されてらっしゃる方へ。
当院の医師はグリーンネイルになっている指はもちろん、なっていない指も含めて全ての指の状態を診察しますので全ての指のジェルをオフしてからご予約(完全予約制)をお願いします。クリアジェルやオイルを含めて、一切何ものせずに、自爪で来院をお願いします!!また当院ではジェルやマニキュアのオフはいたしません。ご理解のほどよろしくお願いいたします。

神楽坂肌と爪のクリニック 形成外科|腫瘍皮膚科|美容皮膚科
院長 野田 弘二郎(日本形成外科学会専門医)
副院長 野田 真喜(女性・日本形成外科学会専門医)
〒162-0825
東京都新宿区神楽坂2-12-15 さわやビル2F
予約制03-3513-8212
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【土曜日】9:30~12:30/13:30~18:30
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